タクシーの幽霊談の謎を解く:乗せた筈の客が後部座席から消える機序


(image source: https://aminoapps.com/c/horror/page/blog/the-vanishing-hitchhiker/WJdF_Xu75e5obzQ8Vq4KjJka2VJ8eexSr )



前置き

- 本日の別記事   Les Velez + Grant Cameron : 人間に見える姿を ET は自在にすり替えることができる - http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-19309.html (2022-04-04)  のついでにタイトルの件を記録しておく。 - タクシーが人里離れた深夜の山道などで客を乗せた。しばらくその客と世間話をしながら走行し、ふとバックミラーを見ると後部座席にいたはずの客が忽然と消え去っていた…という定番の幽霊談がある。 - 過去記事でもチラリと述べたが、この手の幽霊談の謎は UFO/ET/Bigfoot/Missing-411 の謎と同様の機序で生じている筈。 - つまり、タクシーの幽霊談は以下にように解釈することでその謎が解ける。

タクシーの幽霊談を解く

- たぶん…。タクシーの幽霊談は   山などに多発する異常な EMF → 一時的な意識障害 → 客の幻覚  という機序で発生しているはず。 - つまり、最初からそのような客はいなかったし、乗せもしなかった。だが、運転手は現場付近に発生した異常な EMF(*1)のせいで一時的な意識障害に陥った。その結果、路肩で手を上げた客を見つけ、車に乗せたと思い込んだ。(実際に車を停止させドアを開けたのか、あるいは単にそういう疑似体験をしたと思い込んだのか、そのどちらなのかは状況次第) - しばらく走行し、EMF の強い領域から遠ざかって意識障害から回復し、幻覚が薄れたため、客の幻覚も消えた。 - この仮説は反証可能性がある。最近のタクシーはトラブル予防のために客との会話を自動記録しているので、このような幽霊事件があればそれを再生して確認できる。もしも、幽霊客の声や映像が記録されていれば、私のこの仮説は否定される。だが、そのような事例は知らないし、今後も起きない筈。

おまけ

- タクシーの運転手はこのような「幽霊」の対策としてタバコを用意しておくという。 - これは、幽霊船が出現した時に、苫を焼くと幽霊船が消えるという漁師の言い伝え(関山守彌、『日本の海の幽霊・妖怪』、中央公論新社、2005-06)に似ている。 - これらの言い伝えが無根拠ではないとすれば…   ・煙には、それを吸い込むことで幻覚から覚める効果がある or   ・煙には若干の放電効果がある(*2)ために EMF の影響を低減させる  のではないか。 - 私の仮説が正しければタバコより効果的な予防方法がある。金属製のヘルメット(できれば頭部全体を覆うようなもの)を頭にかぶれば良い筈。

(*1)

- 車は静電界に対してはある程度、シールドされている。だが、過渡現象によるパルス性の電界に対してはシールド効果が低い。つまり電界の波長が短いため、窓から容易に侵入する。

(*2)

- その証拠に打ち上げたロケットが残した噴煙の経路にそって、雷が走る動画が下。 20220404_lightning.jpg Rocket-Triggered Lightning (2022-04-04)

初出

タクシーの幽霊談の謎を解く:乗せた筈の客が後部座席から消える機序 (2022-04-04)