シンクロニシティが我々に伝えようとしているメッセージは何か?

副題:「真のリアリティ」など存在しない

(image source : https://astrologyanswers.com/)



前置き

- 以下、彼の他の動画での発言も加味した上で、文脈にそって意訳。

手抜き

- Q) Grant Cameron : フクロウ、Synchronicities、UFO、さまざまな超常現象…これらが我々に伝えようとしているメッセージは何だろうか? - A) Mike Clelland :   ・この現実の世界――机とか――を超越した、我々の認識の及ばない深淵なリアリティがある。   ・その世界のいわばチェスのグランド・マスター的存在がこの現実世界の細部を巧妙 かつ さり気なく操った結果が Synchronicities として顕れている。   ・そのグランド・マスター的存在からの目配せがそういった形で我々には垣間見えているということだ。   ・Synchronicities は羅針盤だ。正しい方向へ進んでいる時は、Synchronicities が頻発するから進路が逸れていないとわかる。   ・死んだ後には、それと対面することになり、その謎が理解できるのかも。

音声書写(自動生成)

▼展開
110:27 what's the so i would say the main 110:29 message is that there 110:30 is a deeper reality beyond this 110:33 reality here like this reality here with 110:36 the hard table and the 110:38 you know the clock ticking one second at 110:40 a time 110:42 there's something grander just beyond 110:46 our our available perception 110:48 and and that i mean that's where you get 110:52 the question of what is god you know 110:53 where you know what's our purpose what's 110:55 so --- GC: yeah i'm i'm um 110:59 it's almost like you've stolen jacques 111:01 ballet's message it's a giant kabuki 111:03 theater 111:04 and the only message is we're not alone 111:06 that something's going on 111:07 --- MC: yeah yeah so i mean it's once again the 111:10 i can't understand the 111:12 agenda of the people behind the you know 111:14 like the grand chess player 111:16 you know the kabuki theater puppeteer um 111:19 but i can say that it's that something's 111:21 happening 111:22 and and then maybe when we die we'll be 111:25 enlightened and we'll understand it all 111:27 or 111:28 so but for now we're stuck here we can 111:34 tickle the corners of it but we'll never 111:36 know it completely so

動画(1:54:44)

GRANT CAMERON with Mike Clelland, on OWLS, Synchronicities and the Paranormal

コメント1

- Mike Clelland も、Grant Cameron もこのネット・インタビューに参加している他のふたりも皆、   ・(a) この現実世界を超えた「真の実在」(=究極の真理、宇宙の最奥の真実、魂の故郷、神、涅槃、悟りの世界…などなど。表現は変われど中身は同じ)がある   ・(b) その世界からの「目配せ」が Synchronicities であり、啓示/download であり、地上での自分の使命の自覚だ  …といったステレオタイプな信条を信じている。 - Grant Cameron が引用しているように、この a の信条を Jacques Vallee もまた共有している。 - 実際、プラトン主義者を筆頭に全ての宗教信者、精神世界信者、大半の哲学者がこの a の信条を信じている。 - だが、 a こそが最後に控えるラストボスの虚構。現実世界を超えた「真の実在」(=究極の真理、宇宙の最奥の真実、魂の故郷、神、涅槃、悟りの世界)…これらは全て虚構。 - 「真の実在」だの「真のリアリティ」だのといった御大層なものは存在しない。神や仏、真理、見性、真如、空、「真の実在」、老子の道…の類と同様の、ただの有り難そうなオハナシでしかない。このあたりまえの日常の現実世界こそが「真のリアリティ」そのもの。 - その上で、この日常の現実世界を「終わりなき日常の牢獄」と見るか、「存在の驚異と実感」する(*1)かは個々人の感性の問題で、この記事の文脈から言えば、些細な話。

(*1)

Sadhguru の幼い頃の体験談 (途中:その1) (2020-12-27) Doug Auld : LSD 摂取時、普通のレンガに魅了され、驚異を覚えた。 (途中:その1) (2020-04-29)

コメント2

- 「真のリアリティ」など存在しない…そう私が主張するのであれば、Mike Clelland が体験した数々の不可思議な Synchronicities はどういう機序で生じたのか、その説明が必要となる。 - 現時点での私の推測は次の通り。   ・単なる偶然では説明が不可能なほど不可解な Synchronicities は、その当人の日常意識がアクセス困難な脳の部位(or 別人格、影の人格)が、引き起こしているのだろう。 - その根拠はいくつもあるが、三つだけあげると…   - ひとつ目。Mike Clelland が Synchronicities の典型例として挙げている 2-3桁の数字の頻出がある。たとえば彼のそれは 123 だが、ある人は 11 だったり、Darryl Anka(Bashar) は 10 というように。時計を見たらいつも 11 分だったり。なぜ、 2桁や 3桁の数字のなのだろうか?   - これは Synchronicities を引き起こす主体が、複雑な概念を扱えず、せいぜいが 2桁か 3桁の数字、それもごくシンプルなそれ(例:11 とか 10 とかであって 79 とか 58 とかはまずない)を扱うのが精一杯であることを示唆している。高度な思想や哲学、倫理を指し示した例はひとつとして見当たらない。小学生レベルの算数や理科の理解を示した例すら無い。いわば文芸の香りがする詩歌からは程遠いダジャレのレベルでしかない。   - ふたつ目。Mike Clelland が強調するように Synchronicities はあまりに個人的なので彼本人だけがその偶然の出来事に隠れされた不可解な一致を察知できる。このことも Synchronicities を引き起こす主体が、彼自身であることを強く示唆している。   - 三つ目。 Synchronicities が示すのは、つまるところ平凡な日常生活における、奇妙だが些細な一致でしかない。個々人の人生を左右する重大な局面で Synchronicities が決定的な示唆をしたという事例も見当たらない。グランド・マスター的存在とやらは肝心要の時には登場しないらしい…w - この推測が正しいとすると、世の精神世界信者が Synchronicities を羅針盤のごとく頼りにするのは問題がある。 Synchronicities を引き起こす主体の知性はとても低く、思想的にも未熟だと想定できる。そのような幼稚な主体のさも意味ありげなお告げ(= Synchronicities )を信じて人生を引き摺り回されることになる。

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初出

Mike Clelland : シンクロニシティが我々に伝えようとしているメッセージはコレだ (2022-02-14) この記事の完了度:100%