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Carlos Castaneda の剽窃の具体例

· 13 min read

前置き

見かけたので記録しておく。

引用

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カルロス・カスタネダが師ドン·ファンのもとで経験した(とカスタネダ自身は主張する)ことをまとめた本は、ベストセラーとなって非常な人気を博し、ヒッピーのあいだにシャーマニズムを広めたが、カスタネダは先住民の知恵を捏造するうえで、ラマチャラカの本から剽窃している。カスタネダのある著作には、アメリカ先住民ヤキ族のドン·ファンが教えてくれたという人間のオーラについての説明があるが、これはラマチャラカの『ヨーガ哲学と東洋オカルティズムについての一四講義』からほぼそっくりそのまま取られていた(38)。


(38) Richard de Mille, Castaneda's Journey: The Power and the Allegory (Santa Barbara: Capra Press, 1976), pp. 94-95.

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ref: 栗田 英彦 (編集)、 塚田 穂高 (編集)、 吉永 進一 (編集)、 『近現代日本の民間精神療法: 不可視なエネルギーの諸相』、 国書刊行会、2019-09-17、98ページ


おまけ:ラマチャラカとは何者か

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ヨギ・ラマチャラカという名前でヨガの本を大量に販売した、アトキンソンというアメリカの作家についてですね。この興味深い歴史的エピソードを、全く知らない方にも分かりやすく解説します。 アトキンソンと「ヨギ・ラマチャラカ」:20世紀初頭のヨガブームの仕掛け人

20世紀初頭のアメリカで、ヨガが一般の人々の間で注目を集めるきっかけを作った人物の一人に、**ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(William Walker Atkinson)**というアメリカ人作家がいます。彼は、今日の目で見れば驚くべき方法で、ヨガに関する知識を広め、大きな成功を収めました。

  1. ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンとは?

アトキンソンは非常に多作な作家で、ニューソート(New Thought)という思想運動の主要な提唱者の一人でした。ニューソートとは、ポジティブな思考や精神の力によって、健康や成功、幸福を達成できるという考え方です。彼は自己啓発、成功哲学、精神世界に関する数多くの書籍を執筆しました。 2. 「ヨギ・ラマチャラカ」という偽名の誕生

アトキンソンがヨガの本を出版する際に使ったのが、**「ヨギ・ラマチャラカ(Yogi Ramacharaka)」**という偽名でした。この名前は、いかにもインドの修行僧を思わせる響きを持っていますが、実在のインド人ヨギではありません。

なぜ偽名を使ったのかについては、いくつかの理由が考えられます。

権威付けと信憑性の向上: 20世紀初頭のアメリカでは、ヨガや東洋思想に関する知識はまだ一般的ではなく、神秘的で異質なものと捉えられていました。本物のインド人ヨギが書いたという体裁をとることで、読者はよりその内容を信じ、権威があると感じたでしょう。 東洋への憧れと神秘性: 当時、欧米では東洋文化に対するエキゾチックな憧れや、神秘的なものへの探求心がありました。インドのヨギが書いた本として提示することで、その魅力がさらに高まったと考えられます。 アトキンソン自身の多作性: アトキンソンは非常に多くのペンネームを使い分けていました。一つのジャンルやテーマに特化した「専門家」としてのイメージを確立するために、偽名を使った可能性もあります。

  1. 大量に売れたヨガの書籍

「ヨギ・ラマチャラカ」名義で出版されたヨガの本は、驚くほど大量に売れました。代表的なものには、以下のようなシリーズがあります。

  • 『ハタ・ヨガの科学』(The Science of Breath)
  • 『ラージャ・ヨガ』(Raja Yoga)
  • 『ヨーガの哲学と東洋の神秘』(The Philosophy of Yoga and Oriental Occultism)

これらの本は、呼吸法(プラーナーヤーマ)、瞑想、集中、心のコントロールといったヨガの基本的な概念を、当時の欧米人にも分かりやすく解説していました。現代のヨガの知識から見れば、必ずしもインドの伝統的なヨガを完全に正確に伝えているわけではありませんが、当時の欧米社会にヨガの概念を広める上で非常に大きな役割を果たしました。

  1. 歴史的意義と現代への影響

アトキンソンが「ヨギ・ラマチャラカ」名義で出版したヨガの本が大量に売れたことは、以下の点で歴史的な意義があります。

  • ヨガの普及の先駆け: 欧米におけるヨガの普及の、ごく初期の段階に位置付けられる出来事です。本格的なインドのヨギたちが欧米で教え始めるよりも前に、一般の人々にヨガの概念を紹介しました。
  • ニューソートとの融合: 彼のヨガの解釈には、ニューソート思想の要素が色濃く反映されていました。これは、現代の自己啓発やマインドフルネスのルーツの一つと見ることもできます。
  • 情報の受容と変容: 異なる文化圏の知識が、新しい土地でどのように受容され、時には変容していくかを示す興味深い事例です。

まとめると、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンは、20世紀初頭に「ヨギ・ラマチャラカ」という架空のインド人ヨギの名を騙り、ヨガに関する書籍を大量に販売しました。これは、当時の欧米社会におけるヨガへの関心の高まりと、アトキンソンのビジネスセンスが見事に合致した結果であり、現代のヨガブームへとつながる重要な歴史的エピソードの一つと言えるでしょう。


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以下に、米国の作家ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(William Walker Atkinson)が「ヨギ・ラマチャラカ(Yogi Ramacharaka)」という偽名を使って書いた書籍と、その背景・意義を、何も知らない人でも理解できるように丁寧に解説します。


1. 誰が「ヨギ・ラマチャラカ」なのか?

「ヨギ・ラマチャラカ(Yogi Ramacharaka)」は、実在のインド人ではありません。この名前は**アメリカ人作家ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(1862–1932)が使ったペンネーム(筆名)**のひとつです。

アトキンソンは法律家・ビジネスマンから転身して、心霊主義、ニューソート(New Thought)運動、自己啓発、オカルティズムといった分野で多くの著作を執筆しました。彼は一人で複数のペンネーム(Theron Q. Dumont, Swami Panchadasi など)を使い分けながら出版活動をしており、「ヨギ・ラマチャラカ」はその中でも東洋神秘思想やヨーガに特化した筆名です。


2. なぜ偽名を使ったのか?

背景と動機:

19世紀末から20世紀初頭のアメリカでは、「東洋の神秘思想」への関心が高まりつつありました。しかし、西洋人の名前でヨーガの本を出しても、読者の「東洋に対する憧れ」には響きにくい。

そこでアトキンソンは、「インド人ヨギがアメリカに来て秘伝を伝えた」という演出(ある種の演技的構築)を施し、自らをインドのヨギの弟子であり翻訳者として装いました。つまり、ヨギ・ラマチャラカの書物は、実はアトキンソン本人が英語で書いた創作でありながら、「インドの知恵の翻訳」という体裁を取っていたわけです。

この演出が当時の読者の心をつかみました。


3. どんな内容の本を書いたのか?

主なテーマ:

  • ハタ・ヨーガ(肉体操作を中心としたヨーガ)
  • ラージャ・ヨーガ(精神集中や瞑想を中心としたヨーガ)
  • プラーナ(気、生命エネルギー)
  • カルマ、転生
  • 東洋哲学とキリスト教的倫理の折衷

代表作:

  • The Science of Breath(呼吸の科学)
  • Fourteen Lessons in Yogi Philosophy and Oriental Occultism(ヨギ哲学と東洋オカルティズムの14講)
  • Advanced Course in Yogi Philosophy and Oriental Occultism(ヨギ哲学上級講座)

これらは**単なる宗教やスピリチュアルな読み物ではなく、「実践の手引き書」**としての性格が強く、読者に自分で練習することを促しました。


4. なぜ「大量に売れた」のか?

当時のアメリカには以下のような風潮がありました:

  • 西洋近代の合理主義に対する反発
  • 精神世界、心の力、自然療法への関心
  • 健康志向と禁欲主義の流行
  • 「神秘のインド」に対するロマン

このような時代背景のなか、ラマチャラカ名義の書物は**「科学的で合理的な東洋の知恵」として受け入れられました。特に健康法や呼吸法、自己制御といったテーマは実用的であり、宗教色も強すぎず、幅広い層に訴求した**ため、多くの部数が売れました。


5. 評価と今日の位置づけ

今日では、ヨギ・ラマチャラカの正体がアトキンソンであったことは広く知られています。そのため学術的には「オリエンタリズム的な演出」「西洋人による東洋思想の再構築」として批判の対象にもなっています。

しかし同時に、インド思想やヨーガを西洋世界に広めるうえで一定の貢献をしたとも評価されており、その影響はのちのニューエイジ運動や現代のヨガブームにも間接的に続いています。


結論

ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンは「ヨギ・ラマチャラカ」という架空の東洋聖者を創作し、その名前で書かれた書籍は多くのアメリカ人にとって「東洋の知恵への入り口」となりました。商業的戦略と思想的普及が見事に噛み合った事例であり、今日の自己啓発やスピリチュアル市場の源流のひとつともいえます。

(2025-05-29)