予測:人工的に意識が製造可能になり意識の価値が暴落(書式変換)
前置き
意識に関する私の見解が大きく変わったので、メモ代わりに記録しておく。
つい 2年前までは私も以下のように考えていた。
abduction 研究を放棄したかどうかは議論があるだろうが、袋小路にはいっていたのは確かだろう。UFO 研究と同じ。大勢の人々が UFO に関心持ち調査を始めてから 70年以上が経ったが、いまだに何一つ、謎は解明されていない。
最近の流行りは、Grant Cameron などが声高に主張する「UFO 現象解明の鍵は意識だ」という説だが、これも行き止まりで終わるだろう。
なぜなら、意識が解明されることはないだろうから。人間の意識では意識現象を解明できない…その限界、つまり意識の限界はここまで、といずれ明確に線引される可能性の方が高い。そして UFO 現象もその限界線のあちら側だと見なされると。
ref: David Jacobs : John E. Mack は死の 2年前に abduction 研究を放棄した。 (2020-01-24)
この上の見解がほぼ 180度、変化した。
履歴
(2024-12-03) 書式変換
(2022-02-11) 作成。【編】予測:人工的に意識が製造可能になり意識の価値が暴落 (途中1)
予備知識
- Yuval Harari の意識に関する主張が…
- 37:00 この先 50年後、あるいは 500年後に AI が意識を持つという、納得しうる理由は皆無だ。
ref: Yuval Harari:将来、AI が意識を持つという正当な理由は全く無い (2018-01-01)
18:20 知性が意識と分離するという危険がある。知性は問題を解決する能力。意識は感知する能力。つまり主観的な体験をするのが意識。
19:00 SF作品などでは先進的 AI が自動的に意識(感情、欲望など)を持つと見なしている。だが、現段階でそれは起きていない。
19:50 過去 60~70年間に AI の知性は劇的に発展した。だが AI の意識の発展はゼロだ。1940年代のコンピュータは意識も感情も持っていなかった。そして現代のコンピュータも同じく意識や感情を持たない。
この傾向が続き、将来のコンピュータも意識を持たないままでありうる。将来の AI が超知性を持ちながら、完全に意識を欠如しているものでありうる。
21:00 銀河系のほとんどの知性が意識を持たないかも。
ref: 歴史学者 Yuval Noah Harari の凄まじい洞察力 (2017-12-19)
意識に関する学識者の見解
上に引用した Yuval Harari の意識に関する洞察的発言は、意識を解明することも人工的に作り出すことも本質的に不可能である可能性を強く示唆している。
一部の哲学者は意識の解明はなされつつあるとか、解明できる見通しを語っているが、彼らは Harari ほどの洞察力を持たないし、その見解はどれも具体性に欠け説得力を持たない。
意識に関する UFO/オカルト/精神世界/宗教 業界での一般的見解
言うまでもないが UFO/オカルト の世界や、精神世界/宗教 業界では意識は神聖視され神秘化されている。意識は神聖かつ至上のものだとみなされている。
いわば意識はかつての神のような扱いを受けている。
予測
以下は私のやや温めの予測。
早ければ半世紀以内に人工的に意識が創れるようになる。我々の世代は生きている間 にそれを眼にする可能性がある。だが、それは今のコンピュータ(or 量子コンピュータ)による AI ベースではない筈。初期段階では生物学的な手法で完全に人工的な意識が創れるにようになる。
意識の価値の暴落により、死後の意識の存続だの、輪廻転生という概念も廃れる。現在は誰も免罪符(中世カトリック教会の専売特許w)という概念を持たないように、そういった概念も廃れる。
後に安価に量産可能になる。水道の蛇口でさえ従来の人間のそれよりも高性能の意識を持つようになる。それにより意識の宗教的、哲学的な価値も暴落する。というか意識を過大評価してきた宗教、哲学それ自体の存在価値が意識と一緒に暴落する。水道の蛇口の方が従来の人間よりも巧みに宗教議論、哲学議論をこなすゆえ。現在ですら 100円ショップの電卓と四則演算で張り合おうとする人間がいないのと同じ。
やがて意識の創作は学生の演習課題となる。意識は解明の対象ではなり、創作の対象となる。自分の意識の編集・改変操作もごく当たり前の事柄となる。整形美容や髪型チェンジのように一般化する。いわば、意識のファッション化。
意識から「自意識」部分を摘出したり、自意識の無害化などの意識改変が流行する。また誰もが涅槃=ニルバーナをお手軽に体験する。超越体験や涅槃体験は一時的に流行するが、じきにそれらも飽きられ、それらの価値も暴落する。DMT が合法化された時と同様のパターンを踏む。
意識の壁、本質的限界が明確になりその伸び代の低さに誰もが落胆する。かと言って意識に替わるものが見つかるわけでもなく、今の人間が寿命を受け入れているように、それを受け入れるしかないものとなる。つまり、意識=こんなモンしかないのか、しょうがねぇなぁ…という扱いとなる。
(2022-02-11)