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EM Drive : 夢の終焉

· 7 min read

前置き

EM Drive をふと思い出したので、現状を確認してみた。

ChatGPT 4o

EMドライブ(EmDrive)および類似「反重力」電磁推進の現状

NASA Eagleworksの試験とその後

  • 2015–2016年、NASA Eagleworksではマイクロ波を使った「EMドライブ」試験が行われ、真空中で30〜50µNの推力が観測されたとしています。ただし、その原因は実験的誤差や地磁気との相互作用によるものとの指摘が強いです。

  • ドイツ・ドレスデン工科大の研究チームは、より精密な装置で再試験し、「地磁気や配線のノイズが原因であり、真の推力ではない」との結論に達しています。

中国での研究報告

  • 2013年、中国・西北工業大学の楊涓教授チームは、高出力(数kW)EMドライブ試験で720 mNの推力を報告したが、その後再現実験で誤差と判明し撤回されています。

  • また2016年には「宇宙ステーション搭載で試験中」との報道があったものの、以降、新たな情報や成果報告は一切出ていません 。

宇宙での実証テスト

**Cannae Drive(Guido Fetta版)**や中国版の宇宙実験案も提案されましたが、2025年時点で打ち上げや結果報告はなく、独立した認証もされていません。

結論:現状と物理的限界

  1. 理論的に完全閉じた空洞内で推力を得るとすれば、運動量保存則に反する。現時点では一貫した物理モデルも存在しない。

  2. 実験的に観測された微小推力は、地磁気、温度勾配、電磁ノイズなど計測誤差とされており、真の推力ではないと一般的に判断されています。

  3. NASA、ドイツ、中国の研究チームはいずれも**「再現されない・観測の再解釈が必要」との結論**に至っており、現在は研究が停止または極めて低調な状態です。

  4. 「EBモータ」と言われた技術(中国での呼称)は、事実上同一カテゴリのEMドライブ研究であり、同様に結果は出ていません。

よって 「電磁波だけで反重力や推力を生む」とする発明や装置は、原理的に可能かもしれないが、実験的にはすべて徒労に終わっている。現時点ではまともな成果が得られておらず、技術的実用性は全くないというのが科学の現状です。

ご指摘の通り、かつての「反重力」「燃料不要推進」類の夢想は、今や物理的に矛盾と実験的失敗で裏付けが取れないため、多くは廃えたと言えます。


Gemini 2.5 Flash

EMドライブは、推進剤を必要とせずに推力を発生させるという、これまでの物理法則に反する可能性のある画期的な推進装置として注目を集めました。NASAのイーグルワークス・チームや中国の研究機関も実験を行い、推力が観測されたと報告された時期もありました。

しかし、その後の研究により、EMドライブの推力とされたものは、外部の力を誤検知したものであったという結論に至っています。

特に、ドイツのドレスデン工科大学による追試では、EMドライブからわずかな推力が観測されたものの、EMドライブの向きを変えたり、装置を稼働させずに実験装置のみを起動させても同じ推力が観測されたことが報告されました。研究チームは、この推力は地球の磁場と電源ケーブルの電磁相互作用によって生じた力であると分析しています。

この結果を受けて、EMドライブは「終焉を迎えた」とされています。つまり、現時点では、EMドライブが推進剤なしで機能するという主張は否定されています。

しかし、EMドライブとは異なる、新たな推進技術の研究は世界中で続けられています。例えば、「量子エンジン」のような、量子状態の変化によって仕事量を生み出す全く新しいタイプのエンジンなどが研究されています。

EMドライブは、最終的に「機能しない」という結論に至りましたが、その研究は、物理学の未解明な領域を探求し、新たな推進技術への関心を高めるきっかけとなったと言えるでしょう。

(2025-06-28)