Alex Grey が語る人間の進化の図式:身体→精神→超越 (書式変換+文字起こし +和訳)
前置き
Alex Grey は、サイケデリック絵画の巨匠。

彼が講演で真っ先に語ったのが、人間の目的。それは
- 人間の意識の進化の階梯
で、それを図解している。
このような図式は Alex Grey のみならず、宗教・精神世界に広く蔓延している。
履歴
(2025-02-12) 書式変換+文字起こし+和訳
(2022-06-11) 作成。 Alex Grey が語る人間の進化の図式:身体→精神→超越
予備知識
Alex Grey の幻視:神々と悪霊たちが人類の精神エネルギーを栄養源としていた (途中:その4) (2020-11-16)
Alex Grey :1989年に描いた絵画が 9.11 事件を予知していた (途中:その1) (2015-12-17)
手抜き
人間の意識の進化の階梯は…
- 身体(的存在) → 精神(的存在) → 超越(的存在)

うーん... 芸術が意識を進化させる方法。この絵画『身体、心、精神』は、肉体から精神、そして超越へと至る人間の意識の進化の軌跡を示しています。 肉体的な死を越えて意識が存続するのかどうかという死生観は、私たちすべてを悩ませる問題です。
Hmm... How Art Evolves Consciousness. This painting, Body, Mind, Spirit, shows the trajectory of the evolution of human consciousness through the physical, to the mental, to the transcendental. The subject of mortality, whether our consciousness survives bodily death, is a question that haunts us all.

講演動画(21:44)
Cosmic creativity -- how art evolves consciousness: Alex Grey at TEDxMaui 2013
コメント1
精神世界に惹かれる人間は誰もが、
- この虚飾に満ちた地上世界から隔絶し、超越した「真の世界」が存在する
と信じている。
その「真の世界」に入る資格があるのは人間だけか? 愛猫や愛犬は置き去りか? そうではあるまい。「真の世界」には平等、博愛の概念が欠けている…なんて矛盾も甚だしい。
ところで…。女は男に生まれ変わらないと「真の世界」に入れないのか? そうではあるまい。女の姿のままで「真の世界」に入れるはず。賢者は入れるが、愚者は入れないのか? 当然、愚者も愚者のままで「真の世界」に入れるはず。
同様にしてゴキブリだって蚊だって大腸菌だってペスト菌だって、生きとし生けるもの全てがそのありのままの姿で「真の世界」に入る資格がある筈。そうやって平等、博愛を貫くと どうなるか?
「真の世界」は地上世界と等しくなる。
コメント2
Alex Grey もそうだが、宗教や精神世界に惹かれる人間は誰もが、
-
(a) この虚飾に満ちた地上世界から隔絶し、超越した「真の世界」が存在する。
-
(b) その「真の世界」に至る道がある。
-
(c) 「真の世界」に至る道は、この粗雑な肉体の制約を離れ、純粋で精妙な意識の状態を実現することだ。
といった「地上世界から超越した世界」を信じ込み、その「超越に至る道」を探し求めている。
ところが、最初の大前提となる a の「真の世界」は地上世界から隔絶しておらず、超越もしていない。なぜなら、「真の世界」の正体は地上世界の不平不満を裏返して彼方に投影した空中楼閣(蜃気楼)でしかないゆえに。つまり地上世界を裏返しの鏡で見たものが「真の世界」の正体なので、虚構であり存在しない。
老子もイエスも釈尊も、並み居るグル連中も、全てただの地上の人間で終えた。目覚めた人間はいない。目覚めは虚構であるから。真理を悟った人間もいない。真理は虚構であるから。解脱した人間もいない。解脱は虚構であるから。
(2022-06-11 end)
(2025-02-12 begin)
おまけ:全文文字起こし+和訳
FasterWhisper AI(large-v2 model) + DeepL(2024-07 model)
Details
▼和訳 展開
うーん... 芸術が意識を進化させる方法。この絵画『身体、心、精神』は、肉体から精神、そして超越へと至る人間の意識の進化の軌跡を示して います。 肉体的な死を越えて意識が存続するのかどうかという死生観は、私たちすべてを悩ませる問題です。 これは私が5歳の時に描いた初めてのスケルトンの絵です。 この絵からは、この子が魔法的な考えに満ち溢れていた時期であることが分かります。スケルトンの肩にはパワーアニマルがいて、幸せな墓石や小さな棺桶もあります。 (0:01:01)5年後、10歳の時に、私はまた死を描きましたが、ここではより典型的な、神話的な死神の描写です。17歳の時、私は美術学校に通っており、同じ骸骨のテーマを描いていましたが、今度はより合理的な視点から描いていました。そして、すべての骨やその他のものに名前をつけていました。 より規律正しく、技術的にも向上していました。 (0:01:27)
20歳の時、こんな風に半分だけ剃った自分の髪を見る夢を見ました。それで、半年間髪を半分だけ剃り続けるというパフォーマンス儀式を実行することにしました。 そして、いくつかのパフォーマンスを行いました。当時、私は看板画家をしていました。この自画像を死んだボードに貼り付けました。 そして、自画像を描き、それを地下鉄の広告スペースに貼り、その下に潜り込みました。 (0:02:04)
これは「プライベート・サブウェイ」と呼ばれていました。今度は自分の顔写真入りのビラを配り、夕食に誘うか、ビラを捨てて私の顔を踏みにじるよう呼びかけました。極端な状況でした。 それから6ヶ月後、私は「Brain Sack」という作品を制作しました。これが6ヶ月間の締めくくりでした。 (0:02:41)
私は皿に盛ったスパゲティを食べ、そして自分の髪を皿の上に切りました。 その上に脳 を乗せ、万能解毒剤である吐き気止めシロップを飲み、脳の上にスパゲティを吐き出しました。 それを袋に入れ、それが「Brain Sack」です。 お気づきでないかもしれませんが、私はひどく落ち込んでいました。 そして、存在しないと信じていた神に祈りました。生き続ける理由があるという兆しを見せてほしいと。 (0:03:20)
すると24時間以内にパーティーに招待され、そこで初めてLSDを投与されました。 目を閉じると、真珠色のらせん状のトンネルの中にいました。暗闇の中にいて光に向かって進んでいくと、その光が神でした。あらゆる葛藤や対立が、この精神的な再生のトンネルの中で解消され、グレーが両者を結びつけることが分かりました。 (0:03:59)
そこで私は、芸術家としての使命は、対立するものをひとつにまとめることだと決意しました。 そして、自分の名前をグレイに変えたのです。今度は、美大時代にほとんど面識のなかったパーティーの主催者が、LSDを摂取しました。そして翌日には、彼女は私の人生の伴侶となっていました。こうしてアリスンと私は一緒に暮らし、スタジオメイトとして結婚して38年になります。 (0:04:34)
私の祈りから24時間以内に、私は光を見出し、肉体を持った神聖な愛に出会いました。 (0:04:52)
私の祈りは答えられました。 死体安置所で解剖学を学ぶ仕事を得ました。 意識についてアートを作りたいと思っていました。 意識が宿る箱が肉体なのです。 ですから、それを理解しなければなりませんでした。 そこで解剖の準備をしたり、実際に解剖をしたりしながら5年間を過ごしました。それはある意味、冥界での経験でした。 (0:05:30)