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Jacques Vallee : 星形の UFO の写真 ⇒ この正体を解く

· 約15分

前置き

Jacques Vallee の講演 (2019-05)から。

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話の流れから推測するに、

  • 母親が運転中に「円形の UFO」を目撃し、娘にカメラを渡して撮影させたが、実際に映っていたのは星形の奇妙な「何か」とその影と思しきものだった

ということらしい。

FasterWhisper AI(large-v2 model) + DeepL(2024-07 model)

話の流れから、以下の話が発端らしい

2017年7月、ブルターニュ、明るい午後、彼女は娘とドライブしていて、後ろに座っていて、娘のもう一人の友人も10代でした。 (00:02:44)

そして、彼女の車は修理中だったので、代車があったのですが、その代車は屋根が開いていました。 つまり、ガラス張りで、車内から空が見えたんです。 というのも、彼らは午後の真夜中に、高速道路の上空で大きな円盤、灰色の円盤が自分たちのほうに飛んでくるのを見たからだ。 そしてそれはやがて、彼らの車の上を低空でゆっくりと飛んでいった。 (00:03:23)

非常にはっきりとした、灰色の円盤。 彼女はそれが来るのを見た。 彼女は後ろにいた子供にカメラを渡し、写真を撮ってくれと言った。 子供は写真を撮った。

さて、最後の事件ですが、その後、質問や聞きたいことの時間を十分に取りますが、私はこの最後の事件について少し時間を取りたいと思います。

これは写真です。 拡大してみよう。 雲の上に、物体の影かもしれないし、そうでないかもしれない点がありますが、物体はそこから遠く離れていて、円盤でもないし、灰色の円盤でもありません。 (00:07:36)

見た目は、ドロール(補足: ドローンの事)と言えるかもしれないが、実際にはドロールには見えない。 暗い。 雲の下にあり、別の雲に投影されている。 なぜ彼女が撮った写真に(補足: 彼女が目視した円形の UFO が)写っていないのか、私にはまったくわからない。 また、このようなケースは他にもあるが、目撃者が写真を出すのを嫌がるのは、馬鹿馬鹿しく見えるからだ。 (00:08:14)

つまり、何かを写真に撮ったんだけど、その写真はどこにある? 何も写っていない。 でも、その人が私に話していることとは何の関係もない。 前にも何度かそういう経験はあったけど、実際に証明されたことはなかった。 (00:08:36)


そしてここにその証拠がある、まず、私はこの女性を信じる。 彼女とは何度か会っている。 パリの私の家にも来た。 フランス宇宙庁の諮問委員会の一員である私の友人と一緒に、この事件を再調査しました。フランス宇宙庁には、現在進行中のUFO研究グループがあり、この国で事件を調査した経験が豊富な人たちがいます。 (00:09:08)

だからまた、どうすればこの人たちを助けられるか、どうすればこの現象の全体像をつかめるか、そのために私たちが持ち込めるあらゆる専門知識を探しているのです。 しかし、この現象は、かつてはとても単純なものだった。 つまり、かつては空飛ぶ円盤だったんだ。 たまにロボットが出てきたりね。 そして今、私たちは危機に対処しなければならない。 (00:09:32)

怪我に対処しなければならない。 複雑な生理学的状況に対処しなければならないし、時には死にも直面する。 そして、何も写っていない良い写真にも対処しなければならない。 ですから、私が困惑していると思われるかもしれませんが、そうなのです。 ありがとう。

▼原文 展開
話の流れから、以下の話が発端らしい

In July 2017, in Brittany, bright afternoon, she's driving with her daughter, sitting in the back, and another friend of her daughter's, who's a teenager. (00:02:44)

And her car was being fixed, so she had a loaner, and the loaner had an open roof. I mean, there was glass, but you could see the sky from the inside of the car. Which is why the case becomes interesting, because they saw a large disc, gray disc, in the middle of the afternoon over the expressway, flying over towards them. And it eventually flew slowly over their car, at low altitude. (00:03:23)

Very clear, gray disc. She saw that coming, again, she's a very smart, quick businesswoman, no nonsense. She gave her camera to the kid in the back, and said, take a picture, I'm driving. The kid took a picture.

This is a picture. Let me blow it up. There is a spot on the cloud that may or may not be a shadow of the object, but the object is far away from that, and it's not a disc, it's not a gray disc. (00:07:36)

It's, you know, it looks, you could say it's a droll, but it doesn't really look like a droll. It's dark. It's under the cloud, although it's projecting on this other cloud. And I have absolutely no idea why the picture she took didn't show what she saw. And again, we have other cases like that, except the witnesses are reluctant to produce them because they look silly. (00:08:14)

I mean, I took a picture of something, well, where is the picture? Well, it didn't show anything. Well, okay, or it showed something, but that has no relationship to what that person is describing to me. And I've had a few experiences like that before, but never with the actual proof. (00:08:36)


And here we have the proof of, first, I believe this woman. You know, I've met with her several times. She's been in my place in Paris. We've reinvestigated the case with friends of mine who are part of the advisory board for the French Space Agency, which, by the way, has an ongoing UFO research group, and people of vast experience investigating cases in that part of the country. (00:09:08)

So again, we're looking for all the expertise we can bring in to zero in on, I don't know, how we can help these people and help ourselves form a picture of the phenomenon. But the phenomenon, you know, it used to be pretty simple. I mean, it used to be flying saucers, come on. Occasionally, some robot would come out. And now we have to deal with crisis. (00:09:32)

We have to deal with injuries. We have to deal with complex physiological situations, occasionally death. And then we have to deal with good pictures that don't show anything, and sometimes in combination. So if you think I'm puzzled, I am. Thank you.

動画(1:00:49)

Jacques Vallee Lecture: Part 2 - RECENT CLOSE ENCOUNTER

動画概要欄

12,800 views May 16, 2020 SUBSCRIBE to stay updated on newly posted content!

Lecture Title - A Global Phenomenon: Recent Close Encounters in Europe & Latin America

This presentation took place in May 2019 @ the Contact In The Desert UFO Conference.


この事件の謎を解く

この事件には以下のふたつの謎がある。

  1. 写真に映った星形の UFO の正体は何か?

  2. 母親が運転中に目視した「円形の UFO」が、なぜ写真には星形の UFO 体として写ったのか?

この謎は Jacques Vallee が思っているほど難しいものではない。因みに最新の AI なら解けるだろうと思って試したが全く駄目だった。だが 2,3年後の AI なら解くだろう。

以下、AI に代わって人間サマが順にその謎を解く。

写真の UFO の正体を解く

この左上の星形の UFO の正体は、「穴あき雲」(skypunch)という自然現象だと判断する。

20250131_jv_0723_pp.jpg

下が実際の「穴あき雲」の写真だが、中央部分が白く見え、その周囲にギザギザの形で青空が見えている。上の写真と構造が類似している。

上の写真の右下の影は上の雲に小さな穴が開いたために、上側の白い一面の雲による下側への間接反射光が一部欠落したためのものだと判断する。

20250131_skypunch.jpg

ref: Skypunch... introducing the Cloud Quartet - Barry Lamb https://www.barrylamb.com/archive/skypunch-introducing-the-cloud-quartet

なぜ、

フランス宇宙庁には、現在進行中のUFO研究グループがあり、この国で事件を調査した経験が豊富な人たち

がこの程度のことに気づかないのか不思議だ。

あるいは、「穴あき雲」の可能性にも気づいていたが、

  • 周囲に写っている雲の種類が穴あき雲の発生条件にそぐわない

という理由で、それを破棄したとか? だとすれば、それは軽率な判断だと思える。

最初の写真のものは気象条件(一様な薄い雲、大気の温度など)が十分に整っていないために、いわば、ミニ・サイズの「穴あき雲」しか生成されなかったのだと判断できる。それゆえ、フル・サイズの「穴あき雲」なら青空が見える筈が、若干の雲がかかっていたために暗く見えているのだろう。

類似した別の現象の可能性

さらに、(「穴あき雲」にやや類似しているが)別の可能性も考えうる。それは、

  • 雲の中に小さな竜巻が生じ、周囲の雲を吸い込んで星形が形成された
  • (星形の中の)中央の白い部分がその竜巻の本体に相当
  • 下の雲に、その竜巻の影が映り込んだ

というもの。この場合は(一様な薄い雲、大気の温度など)といった「特殊な気象条件」は不要になる。

この可能性はもっともらしく感じるが、実際にその現象が報告された事例を私は知らない。したがって実際の証拠実績からすると「穴あき雲」を採用すべきか。

いずれを採用するにせよ、自然現象として十分に説明できる。

運転中に目視した「円形の UFO」が、なぜ写真には星形の UFO 体として写ったのか?

Jacques Vallee の発言の流れから、母親が目視したものと、カメラで写したものの形状が異なっているようだが、それは次の理由だと判断できる。

「穴あき雲」の形状が

  • 母親が運転中に目撃した時点では広がった円形、
  • 娘がカメラを渡されて撮影した時点ではそれが収縮して星形

に変化していたから。

それ以外にも

  • カメラの感度
  • カメラのフィルター性能、
  • カメラの明度の自動調整機能

などでも説明できなくもないが若干の無理がある。つまり、カメラの光学性能の方が肉眼より上だったため星形に写っていたが、目視では星形の細部が潰れて円盤に見えていたと見なすのは不可能ではないが、苦しい。

娘がカメラで撮影した UFO と、車を運転していた母親が見た UFO は別物の可能性もあり得ないわけではないが、よほどの偶然が重ならないと起きないので無視してよい筈。

車を運転中であるから、上空にチラリと見えた UFO のサイズや飛行速度を誤認することは十分に想定しうる。

(2025-01-31)