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解きほぐす

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「無数の人間がいるのに、なぜたったひとりのこの俺が――俺なんだ?」⇒ この難問を解く (途中1)(書式変換)

· 約12分

前置き

「無数の人間がいるのに、なぜたったひとりのこの俺が――俺なんだ?」とは意味不明のタイトルだが、その意味は…

文学作品の中で述べられる超難問体験/自我体験の例には、体験が誘発される条件が示唆される場合がある。最近の例として、和製ヒロイック·ファンタジー、『グイン·サーガ』(第60巻、早川書房、一九九八年)の一節から引用しよう。

そうなんだ …… 全部本当にあったことだったんだよな …… 何もかもだ。俺の人生 …… いったいなんだって、こんなふしぎな人生が俺の人生だなんて––信じられるか?俺は–俺は …… 何が不思議だっていって、俺が俺だってことだよ! こんな不思議なことはありゃしない。この世に何千万人の人間が生まれ、死んでゆくのに、なぜたったひとりのこの俺が–俺なんだ?俺だったんだ?(二八ー二九頁)

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出典 : 渡辺恒夫、『<私の死>の謎』、99頁

渡辺恒夫によれば、この疑問は長らく超難問とされてきたという。

この超難問の答えとして超一流の物理学者だった Schrödinger は梵我一如を、作家の稲垣足穂は輪廻転生を持ち出していると(*1)。

私も上の引用部分のような疑問を長らく抱いてきた。凡庸な私にはこの難問に正面から取り組む能力はないので、あくまで私の手の届く範囲内で、自分がある程度まで納得できそうな「手頃な答え」を探していた。

先ごろから UFO/ET/missing-time/abduction/missing-411 の謎を解く足がかりが見えかけてきた気がするが、それと並行するようにしてこの疑問の手頃な答えもぼんやりとだが、見えてきた気がする。その手頃な答えを記録しておく。