Jimmy AKin : カトリック神学の特に難解な 3項目(復活、原罪、三位一体)を解説
前置き
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概要
復活、原罪、そして三位一体
本YouTubeチャンネルの抜粋は、カトリック信仰に関する様々な質問に答えるラジオ番組、「ジミー・エイキンに何でも聞いてください」からのものです。
番組の司会者とエイキンは、イエスの復活と人間性に関する議論、原罪の概念とその結果、そして三位一体の複雑な教義を扱います。また、古代の演説の信頼性やカレンダーの歴史など、関連する神学的および歴史的なトピックにも触れています。
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目次
詳細
ブリーフィングドキュメント:カトリック信仰における主要テーマの探求 このブリーフィングは、与えられた情報源からの洞察に基づいて、カトリック信仰における復活、原罪、三位一体という主要なテーマを探求します。
- 復活と初期の証言 キリストの復活はカトリック教義の中心であり、その証拠は使徒行伝の初期の説教やコリントの信徒への手紙に記されています。
使徒行伝における復活の証言: 使徒行伝の説教には、イエスの復活に関する言及が含まれています。特に、ペテロが五旬節に行った最初の説教では、「あなた方は彼を十字架につけたが、神は彼を死者の中から復活させ、彼は私たちに現れた」と述べられています。使徒行伝1章では、ルカがイエスが弟子たちに40日間にわたって現れたことを「カメラに映った」復活の出現として描写しています。
コリントの信徒への手紙15章との比較: 使徒行伝の説教には、コリントの信徒への手紙15章に記述されている信条(例えば、イ エスが12人の弟子に現れたこと)との重複が見られます。しかし、コリントの信徒への手紙15章に書かれているすべてが使徒行伝の説教に繰り返されているわけではありません。例えば、イエスが兄弟ヤコブに現れたことは使徒行伝の説教には言及されていません。
古代の歴史文書における「演説」の性質: ジミー・エイキンは、古代の歴史文書における演説の引用は、現代の「逐語的な引用」とは異なると警告しています。古代の歴史家(ルカなど)は、個人の思考の理解に基づいて演説を「再構成」しました。エイキンは、「使徒行伝の演説を初期の時代の文字起こしであるかのように見てはならない。そうではなく、それらは使徒行伝の書自体と同じ時期、AD60年に作成された再構成である」と述べています。対照的に、コリントの信徒への手紙15章の信条はAD40年代、あるいはAD30年代にまで遡るとされています。
イエスの教えの伝達: イエスは教えを「クリヤ」という短い逸話や「たとえ話」という物語の形で与えました。マタイはこれらの個々の教えを「5つの主要な演説」にまとめました。これらには、山上の垂訓(倫理的教え)、宣教に関する指示(教会がどのように宣教すべきか)、神の国のたとえ話、教会の内部機能、そしてオリーブ山での預言的談話が含まれます。
- 死後の状態と三位一体
カトリック教義は、キリストが死んでいた期間、そして三位一体の性質について特定の理解を持っています。
死後の魂の状態: ドルカス(タビタ)の復活に関する質問に対する答えとして、死んだ人々は広義には「ハデス」、つまり死者の国にいると説明されています。古代において、ハデスは今日英語でしばしば関連付けられる「呪われた者の場所」ではなく、単に死者が行く一般的な場所でした。敬虔なクリスチャンは、天国に入る準備ができていれば天国に、あるいは清めの状態(煉獄)にいると考えられています。
キリストの死と人間性: 聖トマス・アクィナスの思想によれば、人間が完全な人間性を持つためには、人間の体と魂が結合している必要があります。キリストが死んだとき、彼の体と魂は分離しました。しかし、エイキンは、キリストの神聖な性質は、彼が死んでいた期間中も、彼の人間的な魂と、標準的な意見によれば彼の人間的な体にも結合していたと説明しています。これは、キリストの神性は「人間的な性質」を持ち続けていたということを意味します。この概念は、アクィナスの時代からウィエンヌ公会議に至るまで、神学的な議論の焦点でした。
- 原罪の理解と比喩
原罪はカトリック教義において、理解するのが難しい概念です。カトリック教会は、プロテスタント教会、特にカルヴァン主義者とは異なる理解をしています。
カトリックの理解: カトリック教会は、原罪がアダムの子孫にとって「個人的な過ちの性格を持たない」と理解しています。私たちはアダムの罪の「影響」を継承しますが、罪そのものを継承するわけではありません。これは、私たちが「先祖のせいで実際の罪を継承し、個人的に罪を犯していなくても、その罪のために神が私たちを正当に罰する」というカルヴァン主義の考えとは異なります。カトリックの視点では、これは罪のない者を罰することになり、不公平であると見なされます。
継承されるもの: 人間は本来、神との霊的な結合に必要な「聖別の恩恵」を持って創造されました。しかし、最初の両親が罪を犯したとき、彼らはその恩恵を失い、子孫に伝えることができなくなりました。したがって、私たちは「聖別の恩恵なしに生まれ」、そして「原罪の結果として遺伝した無秩序な欲望」、つまり「罪の染み」を持って生まれます。洗礼によって聖別の恩恵を取り戻しますが、無秩序な欲望はクリスチャン生活の間ずっと「格闘」しなければならないものです。
原罪を説明するための比喩:ギャンブルの比喩: 父親が大金をギャンブルで失い、子供たちにそれを伝えることができなくなるという比喩は、最初の両親が失い、子孫に伝えられなくなった「元の恩恵」を説明します。
シンプソンの比喩(放射性損傷): ホーマー・シンプソンが放射性物質で遊んで遺伝子を損傷し、その損傷が子供たちに遺伝するという比喩は、「無秩序な欲望」として受け継がれる「罪の染み」を説明します。これは、神が最初の両親を完璧な状態に創造したが、彼らが罪によって自らを傷つけ、それが遺伝的損傷のように子孫に伝わったという考えに似ています。
コンピューターのアップグレードの比喩: 人間が「高められた性質」の状態で創造されたコンピュータープログラムのようなものであり、神との結合に必要な恩恵という「新しいコンポーネント」を導入されたという比喩です。このコンポーネ ントが取り除かれると、プログラムは誤作動を起こし(無秩序な欲望)、復活における「さらなるアップグレード」まで修復されません。
- 永遠の存在と地獄の目的
カトリック信仰は、地獄にいる者も含め、すべての魂の不死を信じています。地獄の目的については様々な提案がなされています。
不死の聖書的根拠: ダニエル書12章には、「塵の中で眠る者の多くは、ある者は永遠の栄光へ、ある者は永遠の恥へ目覚める」と記されており、地獄にいる者が滅びることなく存在し続けることを示唆しています。黙示録には、「彼らの苦しみの煙はとこしえに立ち上り、彼らには昼も夜も休みがない」と記されており、これは継続的な存在を意味します。
地獄における苦しみの目的: 神はあらゆる悪から善を引き出さない限り、それを許さないと信じられています。地獄における苦しみの目的については様々な神学的提案があります。
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神の栄光と正義: 聖トマス・アクィナスが支持した見解の一つは、神が罪に相応しい罰を与えることで「正義を実証する」というものです。有限な被造物が無限の神に対する無限の負債を償う唯一の方法は、無限の時間を要することであるため、彼らは存在し続ける必要があります。
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存在そのものの善: ジミー・エイキンは、「地獄にいる人々が実際に正味のプラスの経験をする可能性がある」という見解を提示しています。彼は、「ソクラテスが不満である方が、満足した豚よりも良い」という哲学的な概念を引用し、「地獄にいても存在 し続ける方が、存在しないよりも良い」と論じています。
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自由意志の尊重: エイキンが好む見解は、神が人々に「存在という贈り物」を与え、彼らがそれを使って好きなことをさせるというものです。死んだとき、彼らが神との友好的な関係を拒否している場合、彼らの意志はその時点で「固定」されます。したがって、彼らは許しを望まず、神との結合も望まず、神は彼らにその両方を許しています。エイキンは、「彼らの継続的な存在から生まれる善の一つは、神が彼らの望みを叶えていることである」と述べています。
- 三位一体の教義
三位一体はカトリック信仰における基本的な教義であり、唯一の神が三つの位格として存在するというものです。
「存在」と「位格」の区別: エイキンは、この教義を理解するための鍵は、「存在」(being)と「位格」(person)という2つの異なるカテゴリーを区別することであると説明しています。
- 電話は「1つの存在」ですが、「0人の位格」です。
- 人間(あなたや私)は「1つの存在」であり、「1人の位格」です。
- これは、「存在のカテゴリーと位格のカテゴリーが、1対1の関係で一致しない」ことを示しています。
神における三位一体: 聖書によれば、神は「1つの存在」ですが、「3つの位格」です。父も神、子も神、聖霊も神です。しかし、彼らはそれぞれ異なる位格です。「父は子ではなく、子は聖霊ではなく、聖霊は父ではない」。彼らは「神的な性質を共有している」ため、彼らは「1つの存在」、つまり「至高の存在」です。
三位一体の性質の要約: エイキンは、三位一体の教義の基本を次のようにまとめています。「一部の存在は1つの位格よりも少ない、つまり非位格的である。一部の存在は正確に1つの位格、つまり位格的である。そして一部の存在は1つの位格よりも多い、つまり超位格的である。そしてそれが神である」。聖書は、神である3つの位格が存在することを明らかにしています。この教義は、2世紀には既に形成され始め、300年代初頭には信条に組み込まれることで、父、子、聖霊の関係が明確化されました。
時系列
紀元前 400 年代 (推定)
- ヘロドトスによるスピーチの再構成(テミストクレスの演説など)が書かれた時代。古代の歴史家は、文字通りの記録が不可能であったため、人物が「言ったであろうこ と」を理解に基づいて再構築した。
紀元前 3 世紀 (推定)
- リウィウスによるスピーチの再構成(ハンニバルやスキピオの演説など)が書かれた時代。これも古代史家による再構築の一例。
紀元後 30 年代 (推定)
- コリント人への第一の手紙 15 章の信条が成立。 これはキリストの復活の出現に関する初期の証拠であり、紀元後 40 年代よりも遅くなく、紀元後 30 年代の可能性もある。
紀元後 40 年代 (推定)
- コリント人への第一の手紙 15 章の信条が成立した最も遅い時期。
紀元後 60 年 (推定)
- 「使徒言行録」がルカによって執筆される。 ルカは、ペテロとパウロの思想を理解に基づいて、彼らの説教を再構築して記述した。使徒言行録 1 章では、キリストが 40 日間にわたり弟子たちに現れ、その後昇天した復活の様子が「カメラで」記録されている。
- ペテロのペンテコステの日の説教(使徒言行録): イエスが十字架につけられたこと、しかし神が彼を死者の中から復活させ、弟子たちに現れたことが述べられている。
- パウロのアテネでの説教(使徒言行録 17 章): 死者の復活について言及されている。
- 使徒言行録 9 章 40 節: ペテロがタビタ(ドルカス)を死者から復活させる。タビタはハデス(死者の国)にいたとされ、天国または煉獄にいた可能性があると解釈される。
紀元 1300 年代初頭
- ヴィエンヌ公会議: キリストの死後、彼の人間性、特に身体と神性がどのように結合していたかについての 神学的な議論が頂点に達し、 dogmatic definitions (教義上の定義) がなされた。
現代
- Jimmy Akin's Mysterious World (エピソード 365): 一年の謎、暦の起源、月の名前の由来について語られる。
- キリストの降誕とヨハネの洗礼者の誕生: キリストの増加とヨハネの減少という太陽の動きとの関連性について議論される。
- カトリック教会の原罪の教え: アダムの罪の結果を継承するが、個人的な罪ではないという理解が説明される。賭博の比喩、シンプソンズの比喩(放射性物質による遺伝子損傷)、コンピュータのアップグレードの比喩が用いられる。
- 地獄の概念: ダニエル書 12 章とヨハネの黙示録からの引用を用いて、悪人が永続的に存在し苦しむことが示される。地獄での苦しみの目的について、神の正義の顕示、あるいは存在そのものが良いことであるという視点から考察される。
- 三位一体の教義: 一つの神が三つの位格であるという概念が説明される。存在と位格は異なるカテゴリであり、電話(一つの存在、ゼロ位格)、人間(一つの存在、一つの位格)の例を用いて、神が「超位格的」(一つの存在、三つの位格)であると説明される。父、子、聖霊は異なる位格だが、同じ神性を共有している。
主要関係者
クリストファー・チェコ (Christopher Czech): カトリックアンサーズの社長であり、サイ・ケレットの代理で「Ask Me Anything」の司会を務める。
サイ・ケレット (Sai Kelllet): 「Catholic Answers Live」のレギュラー司会者。30周年結婚記念を祝うため休業中。
ジミー・エイキン (Jimmy Akin): 「Ask Me Anything」のゲストであり、カトリックアンサーズの専門家。彼の著書に『A Daily Defense』がある。また、「Jimmy Akin's Mysterious World」というポッドキャストも手掛ける。
ミッシー (Missy): サイ・ケレットの妻。
ヒュー神父 (Father Hugh): ジミー・エイキンの友人で、「典礼占星術」について言及される。
ボブ (Bob): カリフォルニア州オックスナードからのリスナー。「使徒言行録」の説教が復活の出現の初期証拠となるかについて質問する。
リウィウス (Livy): ローマの歴史家。ハンニバルやスキピオの演説の再構成で知られる。
ヘロドトス (Herodotus): ギリシャの歴史家。「歴史」の著。テミストクレスの演説の再構成で知られる。
イエス・キリスト (Jesus Christ): 神の御子であり、キリスト教の中心人物。彼の復活、昇天、人間性の神性との結合、そして彼の教え(説教やたとえ話)について言及される。
ペテロ (Peter): イエスの十二使徒の一人。使徒言行録の最初の部分で主要な役割を果たす。ペンテコステの日に説教を行い、タビタ(ドルカス)を復活させる。
パウロ (Paul): 使徒。使徒言行録の後半部分で主要な役割を果たす。アテネで死者の復活について説教する。
ルカ (Luke): 「使徒言行録」の著者。ペテロとパウロの説教を再構成して記録したとされる。
マタイ (Matthew): 福音書記者。イエスの教えを5つの主要な説教(山上の説教、宣教の説教、神の国のたとえ話、教会の機能と規律、オリーブ山での預言的談話)にまとめたとされる。
ジェームズ (James): イエスの兄弟。コリント人への第一の手紙 15 章で、イエスが彼に現れたと記されている。
ヤコブ (James): カリフォルニア州ベイエリアからのリスナー。キリストが死んでいた期間、神の子が真の人間性を持っていたかについて神学的、形而上学的な質問をする。
トマス・アクィナス (St. Thomas Aquinas): 中世の著名な神学者。完全な人間性には身体と魂の結合が必要であるという見解、および地獄における神の栄光(正義の顕示)についての見解が引用される。
タビタ (Tabitha) / ドルカス (Dorcas): 使徒言行録 9 章 40 節で、ペテロによって死 者から復活させられた女性。
マイケル (Michael): ニューヨーク州バッファローからのリスナー。大人のカテキスタであり、信仰の背景がない大学生に「原罪」を説明する方法について質問する。
アダム (Adam): 人類最初の父。原罪を犯したとされる。
エヴァ (Eve): 人類最初の母。原罪を犯したとされる。
クリストファニク (Christophanic): カトリックアンサーズ会議の基調講演者。
デビッド・アンダース博士 (Dr. David Anders): EWTN の「Called to Communion」のゲスト。
スティーブ・ドーソン (Steve Dawson): St. Paul Street Evangelization の関係者。
ポール・チェコ神父 (Father Paul Czech): クリストファー・チェコの兄弟。
ジョー・ヘシュマイヤー (Joe Heshmire): 人気ポッドキャスト「Shameless Popey」のホスト。
ホーマー・シンプソン (Homer Simpson): アニメ「シンプソンズ」の登場人物。原罪の説明のための比喩として、放射性物質で遊ぶ姿が用いられる。
バート・シンプソン (Bart Simpson): アニメ「シンプソンズ」の登場人物。
ソクラテス (Socrates): 古代ギリシャの哲学者。地獄の概念についての議論で、「満足した豚よりも不満なソクラテスの方が良い」という比喩で言及される。
ブレット (Brett): フィラデルフィアからのリスナー。地獄における永遠の存在と苦しみの目的、および地獄の概念が聖書にどのように示されているかについて質 問する。
レベッカ (Rebecca): アイダホ州ボイシからのリスナー。三位一体の教義を理解できないと述べ、説明を求める。
ティモシー (Timothy): 質問できなかったが、電話回線で待機していた。
サンドラ (Sandra): 質問できなかったが、電話回線で待機していた。
ブレット・ブリストン (Brett Bristen): 質問できなかったが、電話回線で待機していた。
ダーレン (Darren): 「Catholic Answers Live」のスタッフ。
情報源
動画(54:26)
Resurrection, Original Sin, and the Trinity: Tough Catholic Questions Answered | Ask Me Anything
動画概要欄
2,400 views Jul 15, 2025 Jimmy on Catholic Answers Live Catholic Answers Live | June 20, 2025 Hour 2
コメント
よくもまぁ、何百年もかけて、こんな「戯言だらけの屁理屈の巨大な建造物」 を本気で構築したものだ。
Jimmy Akin はプロの「カトリックの弁証家 : Catholic apologist」で、キリスト教を 30年以上続けているガチガチのカトリック信者なので、屁理屈を真に受けるのも致し方ないのかも知れないが…
(2025-07-16)