歴史学者 Yuval Noah Harari の凄まじかった洞察力 (追加)
はじめに
私の楽しみの一つは Scott Adams のようなずば抜けて非凡な人物を Blog や Youtube で見つけること。
昨日、Youtube で見つけた非凡な人物が Yuval Noah Harari で、イスラエルの歴史学者。こういう歴史学者は見たことがない。
その Yuval Noah Harari の並外れた洞察力がよくわかるラジオ・インタビューを紹介する。
Yuval Noah Harari の発言の一部には Ray Kurzweil のソレに近いものがあるが、洞察力においても知性の広がりにおいても Ray Kurzweil は全く比較にならない。Yuval Noah Harari はドグマをドグマとして捉え、盲信していない。
なお、別の動画で彼はゲイだと告白していた。
以下、メモ書き。(このメモ書きでは彼の洞察の凄まじさが全く伝わらない。出がらしですらない。読み返してみて自分の文章表現力(+表現意欲)の無さを実感w。実際に下の動画の発言を聴かなければ、凄さが伝わない筈。)
履歴
(2024-10-15) 追加(文字起こし+和訳)。動画の差替。
(2017-12-19) 作成。歴史学者 Yuval Noah Harari の凄まじい洞察力
抜粋(デタラメ)
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5:30 かつての意味の戦争は消えた。
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9:00 40億年間、有機体生命が発展してきた。現在、市場初めて非有機体の AI による生命が生まれようとしている。
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10:00 古代のヘブライ人が神に期待した能力(…)を既に現代科学は超えた。
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12:00 21世紀の最大のマーケットは「永遠の若さ」になる。
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13:00 シリコン・バレーが目指しているのは…。永遠に生きられる薬ではない。この先、10年先も健康で過ごせるようになる薬。10年ごとに更新。
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14:00 金持ちは貧乏人よりも身心ともに快適な状態を保つようになる。一端、そうなればそのギャップは解消不能。なぜなら貧乏人はもう太刀打ちできないから。
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18:00 AI に仕事を取られて、役立たずの階級の人間が大量に生まれる。彼らは経済的にも政治的にもパワーをもたない。
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18:20 知性が意識と分離するという危険がある。知性は問題を解決する能力。意識は感知する能力。つまり主観的な体験をするのが意識。
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19:00 SF作品などでは先進的 AI が自動的に意識(感情、欲望など)を持つと見なしている。だが、現段階でそれは起きていない。
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19:50 過去 60~70年間に AI の知性は劇的に発展した。だが AI の意識の発展はゼロだ。1940年代のコンピュータは意識も感情も持っていなかった。そして現代のコンピュータも同じく意識や感情を持たない。
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この傾向が続き、将来のコンピュータも意識を持たないままでありうる。将来の AI が超知性を持ちながら、完全に意識を欠如しているものでありうる。
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21:00 銀河系のほとんどの知性が意識を持たないかも。
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24:00 自動運転車の判断基準。5人の歩行者と一人の運転者の生命の選択。車の購入者に選択させる。なぜなら…マーケットは常に正しい(…という従来の仮説)
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27:00 ヒューマニズムの核は…。人間は意味を放棄して代わりにパワーを得る。具体的には…
- だが、これはもはや幻想だと判明した。
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30:00 Humans aren't individuals, they are dividuals.
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30:40 150年間に及ぶ生物学の研究結果の結論はを要約すると…。
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organisms are algorithms
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ヒヒがライオンとバナナの環境で。アルゴリズム、計算結果は感情として。食欲が勝つか、恐怖心が勝つか。つまり感情は神から与えられたスピリチュアルなものではない。感情は生化学的な計算結果だ。
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34:00 self(自我)というものは無い。人間は他の動物と同じく、生化学的なプロセスの集合体でしかない。
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34:00 あたりのオハナシが精神世界のソレと完全に同型。
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36:00 個人も幻想に支配されている。個人は自己に関する虚構の物語を構築し、それに強烈に固着する。その自己の物語が彼の人生を支配する。この自己の物語は要するに幻想だが、とても強力に作用する。人類社会全体も全く同様(神、天国、国家などなど)。
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36:20 個人の内側にあって人格を統合する自己が存在するという見解も幻想。individual も幻想であって、実体は dividuals の集合だ。
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37:00 私は本当の自分を知るために毎日 2時間、 Vipassana 瞑想を続けている。先に述べたことは現代の科学のドグマだ。科学が説明し損ねているものが一つある。それは意識だ。どうやて数十億のニューロンが愛や嫌悪、喜び、苦しみを生み出すのか? 我々はこれについては完全に無知だ。
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38:00 だからと言って過去の宗教的ドグマに戻ることはできない。さらに研究を続ける必要がある。
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40:00 今の人類は 200年先には存在していないだろう。upgrade human --> super human
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41:50 従来の技術は外界(環境、社会、経済)を変化させるものだった。だが、今後は人間の体、脳を変化させるものになる。
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44:00 21世紀には新たなイデオロギー、宗教が生まれる筈。19世紀に社会主義が生まれたように。
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44:40 その兆候として今、data-izm (データ主義)が主導権をにぎりつつある。
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45:00 昔は雲(cloud)の上の神が権威だった。近代はその権威が雲から個々人に降りてきた(個人主義、リベラリズム…)。これからは権威が再び cloud に戻るだろう。ただし Google などの cloud(クラウド)だ。
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46:00 Homo Deus(神としての人間) の説明。
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47:30 作曲プログラム Emmy , David Cope? musicologist University of California
- その音楽の一部が聞ける。(予想どおりで意外性は無いw)
動画(53:05)
Y. N. Harari - Immortality, Bliss, Divinity
コメント
彼の洞察力の凄まじさには感動したが、私は彼の主張には同意しない。
彼の主張に同意できないが、彼の主張には洞察と説得力があることを認めざるをえない。それが私を含む典型的な凡人の反応。凡人連中にそういう反応を引き起こさせる…それこそが彼の非凡さの証。
同様のパターンは Scott Adams (非凡)の発言を聞いた Sam Harris (凡人)の反応でも見られた。Sam Harris は決してナミの凡人ではないが、Scott Adams と対面した時にその知性の格差が露呈した。
この格差の状況を喩えると…。何かの集まりで、一人の「かわいい娘」のまわりに男どもが群がってチヤホヤしている。その場にトップ・モデルのようなゴージャスな美人が登場。一瞬で先の かわいい娘 の男どもの間での市場価値が暴落…w
(2017-12-19 end)
(2024-10-15 begin)