Michael Talbot : 自著の『ホログラフィック宇宙論』を語る
前置き
この動画は過去記事(*1)でも取り上げたが、今回は AI で整理した。
(*1)
❑ Michael Talbot インタビュー:全発言+日本語訳 (2023-06-09)
Michael Talbot : UFO や超常現象は「ホログラフィック TV」の別のチャンネルの影響(途中:その3) (2017-10-10)
概要
ホログラフィック宇宙の探求
提供された文章は、ジェフリー・ミシュラブとマイケル・タルボットによ る「ホログラフィック宇宙」の概念に関する対談の抜粋です。この対談では、現実がホログラムのように機能する可能性が探求されており、脳の記憶の仕組みや素粒子の非局所的な相互作用が、このホログラフィックモデルによって説明できると提案されています。タルボットはさらに、プラセボ効果やサイキック現象、臨死体験といった、意識が物理的な現実に影響を与える事例も、ホログラフィックな視点から理解できると述べています。全体として、この議論は、現実の根源的な性質と意識の役割について、従来の科学的理解を超えた深い洞察を提供しようとしています。
目次
詳細
ホログラフィック宇宙の探求:主要テーマと重要なアイデアの概要
心理学者ジェフリー・ミシュラブと著者マイケル・タルボットの対談「ホログラフィック宇宙の探求」は、現実のホログラフィックモデルとその個人、身体、そして世界への影響を探るものである。このモデルは、デビッド・ボーム(物理学者)とカール・プリブラム(神経生理学者)によってそれぞれ独立して開発され、記憶と素粒子物理学の分野における観察から生まれた。
1. ホログラフィックモデルの起源と本質
- 開発者:デビッド・ボーム(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン物理学者): 素粒子物理学を研究し、素粒子レベルの現実の構造がホログラムの特性に似ていることを発見した。
- カール・プリブラム(スタンフォード大学神経生理学者): 記憶を研究し、脳がホログラフィックに機能している証拠を見出した。
- 核心的な概念: 現実が「固体構造」ではなく、「イメージのように、より柔軟で変化しやすい」ものであるという考え。
- ホログラムの特性: ホログラフィックイメージが符号化された写真フィルムは、肉眼では見えず、レーザー光線を当てて初めて3次元のイメージが再構築される。
- 「全体が部分に含まれる」原則: ホログラフィックフィルムを半分に切っても、それぞれの断片から完全なイメージが得られる。「フィルムを半分に切っても、それぞれの断片から完全なバラが得られるのは、非常に珍しい特性であり、最初は想像を絶する。」これはウィリアム・ブレイクの「一粒の砂の中に宇宙を見る」という言葉に似ており、宇宙のあらゆる部分が全体の一部を含んでいることを示唆している。
- 非レーザー光ホログラムとの区別: クレジットカードのホログラムのように、レーザー光線を必要としない一般的なホログラムには上記の特性は当てはまらない。
2. 現実の二つの レベル
- 干渉パターン: ホログラフィックフィルムには、レーザー光線の干渉パターンが記録されており、肉眼では「池の波紋」のように見える。
- 具象イメージとエネルギーのぼやけ: ホログラムは「具体的なイメージとして、あるいはこの種の判読できないエネルギーのぼやけとして」二つの方法で現実を顕現させることができる。
- 宇宙への適用: 宇宙がホログラムである場合、現実には二つの「大きく異なるレベル」があることを示唆している。
- 具象的な現実: 私たちが日常的に認識する椅子、木、雲、身体など。
- 深層のレベル: 「すべてがエネルギーの海に溶解し、ホログラフィックに相互接続されており、宇宙のあらゆる部分が宇宙のあらゆる小さな領域に含まれている」レベル。
- 分離の幻想: このモデルは、私たち自身や物体が互いに分離しているという日常的な認識が「表面的」であり、「人工的」であることを意味する。ボームは、私たちが現実を記述するために使用する概念的枠組み(言葉)が、私たちが住む水に気づいていない魚のように、私たち自身の頭の中の現象であると強調する。
3. 量子物理学におけるホログラフィックモデルの示唆
- 非局所性(量子もつれ): 2つの素粒子(例:電子)がどれほど離れていても、一方に何かが行われると、もう一方も影響を受けるという現象。これは「光の速度より速い」信号や「瞬間的な信号」によって説明することはできない。
- ボームの解釈: ボームは、素粒子は実際には信号を送り合っているのではなく、より深いホログラフィックなレベルでは、「宇宙のすべての粒子が一種の宇宙的統一に崩壊する」と説明する。
- 水槽の比喩: 魚が泳ぐ水槽を二つの異なる角度からテレビカメラで撮影し、それぞれのモニターに映像を映し出す例を挙げる。観察者は二つの分離した魚がいるように見えるが、実際には同じ魚であり、その動きは常に同期する。これと同様に、素粒子もより深遠な現実の異なる側面である。
- 分離の欠如: この理解は、「電子間に分離がない」だけでなく、「人々の間にも分離がない」ことを意味する。
- 超能力現象の説明: 心霊現象(例:テレパシー、サイコキネシス)は、信号の送受信ではなく、宇宙がホログラフィックに組織されているため、すべての部分が全体を含んでいることから説明できる。私たちが深いレベルにアクセスできれば、通常の感覚を超えた情報にアクセスできる。
4. 脳のホログラフィック機能
- プリブラムの記憶研究: カール・ラシュリーの研究を引き継ぎ、記憶が脳の特定の部分に局所的に保存されているという従来の考えに異議を唱えた。
- ラットの迷路実験: ラットの脳の様々な部分を切除しても、迷路を走る記憶を完全に除去することはできなかった。
- 人間の記憶障害: 頭部外傷を負った人は、記憶が全体的に曖昧になるが、特定の部分だけを忘れるわけではない。
- ホログラムとの類似点: ホログラムのイメージが部分が小さくなるにつれてぼやけるが、全体は残るのと同様に、記憶も脳の一部が除去されると曖昧になるが、完全には失われない。
- シナプスの電気的インパルス: プリブラムは、シナプスが電気的インパルスを発することで、脳の電磁場に「波紋」を生じさせ、それが交差してホログラムを形成すると提唱する。これが脳の思考と記憶のメカニズムであると信じられている。
- フーリエ変換: 脳は視覚情報や他の感覚情報を解読するために、「フーリエ変換」という数学的言語を使用していることが判明した。これはホログラムの作成にも用いられる数学であり、「脳がホログラムであるという示唆」である。
5. 意識と身体への影響
- 意識の性質: タルボットは、プリブラムの脳ホログラム説に一部同意しつつも、自身の体外離脱経験から、思考が脳から独立して存在しうる可能性を示唆する。彼は、電磁干渉パターンよりも「より微細なレベル、より微細なエネルギー」が意識に関与していると推測する。ボームの量子波ポテンシャルの概念がこれに関連しているかもしれない。
- 被験者と客体の区別: 量子物理学において、観察行為が粒子に影響を与える「不確定性原理」により、被験者と客体の区別が崩れることが示唆される。タルボットは、この原理が液体ヘリウムのように巨視的なレベルでも現れる例を挙げる。
- 心身相関(プラシーボ効果): プリブラムのモデルは、私たちが「現実のモデル」に反応する傾向があることを説明する。
- 兵士の行軍実験: 実際に歩いた距離ではなく、伝えられた距離に応じて生理学的に反応した兵士の例。
- リンパ腫患者のクレビオシン治療: 患者の薬への信念が、実際の薬ではなくても(塩水であっても)、腫瘍を縮小させた例。信念が身体の治癒能力を活性化した。
- 脱毛副作用: 偽薬を投与された患者の30%が、有毒な化学療法薬であると告げられただけで脱毛した例。
- 意識の役割の再評価: ホログラフィックモデルは、これまで「付随現象」と見なされてきた意識が、物理システムに影響を与えるメカニズムを提供し、その役割をより深く理解することを可能にする。
- 脳と身体の連続性: ホログラフィックモデルが正しければ、脳と身体の間に「分離」は存在しない。すべての相互接続が非常に密接であるため、それらを異なるものとして区別することは「ほとんど無意味な点」となる。
6. 広範な示唆
- 宇宙との一体性: 私たち自身と宇宙全体との間に明確な区別がないことを示唆する。
- 超感覚的知覚とサイコキネシス:サイコキネシス(念力): ボームは、サイコキネシスを、脳から物体を動かすエネルギーが出ているという考え方ではなく、私たちの「思考が物体のパターンと連続体である」という「共鳴行為」として説明する。
- 鍼治療: 体全体のツボが耳の小さな領域に再現されている「マイクロ鍼システム」をホログラフィックモデルで説明できる。
- 臨死体験(NDE): ケネス・リングの研究により、臨死体験は個人が「ホログラムのより深い部分に入る」こととして理解できる。
- 思考による即時創造: 臨死体験者は、現実のこのレベルを「周波数」「エネルギー」、そして「ホログラム」と表現し、思考が即座に現実を創造する例(飢えを感じると食べ物が出現する、裸であると意識すると服が現れる)がある。これは、心が「周波数の海から服のホログラムを引っ張り出す」ことができることを示唆する。
- 新しい視点: このモデルは、「理解の周縁にあった多くの異なる領域」を「新しい目で見る」ことを可能にする。
この対談は、ホログラフィックモデルが単なる科学的仮説にとどまらず、意識、健康、そして現実そのものの性質に関する私たちの基本的な前提に挑戦する、広範かつ深遠な哲学的・精神的な示唆を持つことを示している。