Gabriel McKee の解説 : Gray Barker と UFO
前置き
Gabriel McKee (下)

が、彼の著書、
"The Saucerian"

と
"They Know Too Much About Flying Saucers"

の宣伝を兼ねて出演し、タイトルの件を詳述している。
初期の UFO 界隈の動きを知る上で役立つ。NotebookLM plus で分析。
動画(1:05:02)
The Saucerian UFOs, Men in Black and the Unbelievable Life of Gray Barker
Gabriel McKee とは
Me:
ソースの Podcast の語り手である Gabriel McKee について説明して。
提供されたソースに基づくと、Podcast「Somewhere in the Skies」の語り手(インタビューを受ける側)である**ガブリエル・マッキー(Gabriel McKee)**氏は、以下の通り説明されます。
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職業・肩書: ガブリエル・マッキー氏は、著者、司書(Librarian)、キュレーター、研究者です。ニューヨーク大学の司書として勤務しています。
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専門分野: 科学フィクション、宗教、神学、書誌学、書籍史、そして超常現象を取り巻く文化の歴史を専門としています。彼は修士号を神学で取得しており、フィリップ・K・ディックを通じて宗教と科学フィクションの両方の世界に導かれました。その後、これらの分野の「実際の印刷文化」、特にサイエンスフィクション雑誌、ファンジン、そしてUFO関連の書籍やファンジン、さらにそれらの重複部分に強い関心を持つようになりました。
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グレイ・バーカーとの関連: マッキー氏の研究対象として、グレイ・バーカーは初期UFO分野の「フライングソーサーの世界」において最も魅力的な人物としてすぐに浮上しました。彼のジン「The Saucerian」は、バーカーの活動において多くの点で基礎的なものであったと述べていま す 。
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著書: マッキー氏は、グレイ・バーカーの生涯と活動に焦点を当てた著書 「The Saucerian, UFOs, Men in Black, and the unbelievable life of Gray Barker」 を執筆しています。この本は、バーカーの膨大なアーカイブ研究に基づいて書かれています。
静止画
Gray Barker


関連本




ブリーフィング資料:グレイ・バーカーと未確認飛行物体
ソース: Excerpts from "バーカーと未確認飛行物体" (Somewhere in the Skies with Ryan Sprague - Gabriel McKee, Author of 'The Saucerian')
主題: グレイ・バーカー(Gray Barker)の人生、未確認飛行物体(UFO)研究への関わり、および彼の著書や出版活動に関するレビュー。
概要: この資料は、Gabriel McKee氏の著書「The Saucerian, UFOs, Men in Black, and the unbelievable life of Gray Barker」に関するRyan Sprague氏とのポッドキャストインタビューの抜粋に基づいています。McKee氏は、バーカーのユニークな役割、彼の時代背景、出版活動、そしてUFO分野における彼の影響力について論じています。バーカーは、従来の厳格なUFO研究者とは異なり、より遊び心のある、物語性を重視したアプローチで知られていました。
主要テーマと重要事項:
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グレイ・バーカーの人物像と背景:
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ウェストバージニア州サットン近郊の農場で育ち、カレッジでは英語を専攻。書き物や映画のプロモーションに興味を持つ。
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後にドライブインシアターのブッキングエージェントとして働き、プロモーターとしてのスキルを磨いた。
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McKee氏は、バーカーの生涯、特にUFO分野の内外における彼の人生が非常に魅力的であると述べています。
- ("it was such a fascinating life, inside and outside of ufology, which you cover a lot." - 0:04:52)
UFO分野への参入:フラットウッズ・モンスター:
- 1952年、生まれ故郷の近くであるフラットウッズで起きた、12フィートのモンスターと円盤着陸の奇妙な物語に触発される。
- この出来事が、彼が全米市場に進出するきっかけを探していた「Fate」誌の記事の素材となる。
- フラットウッズ・モンスターは、バーカーが最初に行ったフィールド調査の一つでした。
- ("this was sort of his first time, and only time, if I'm correct, where he really went out into the field and kind of quote-unquote investigated. Is that true? Yeah, yeah." - 0:08:48)
- ただし、彼は自身を「調査員」として見せかけながらも、実際に現地調査を行った件数は驚くほど少なかった。
自身の出版活動:ザ・ソーサリアン (The Saucerian):
- 1953年に自身のUFOジン「The Saucerian」を創刊。これは初期のUFOジンの波の一部であった。
- 他の真面目ぶったジンとは異なり、「The Saucerian」は「ワイルド」で遊び心があった。表紙にフラットウッズ・モンスターの全身イラストを掲載するなど、ビジュアル美学を追求した。
- ("And The Saucerian was wild... He was really taking a more playful approach to everything." - 0:07:51)
- 彼のストーリーテリングスタイルは非常にユニークで、読者はそれがバーカーによって書かれたものだとすぐに認識できた。
メインストリームから外れたテーマの推進:
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バーカーは、より「真面目」なUFOコミュニティの人々が「おかしすぎる」と考えた物語、例えば墜落した円盤の物語などを積極的に推進した。
- ("what he developed a reputation for in this early period was that he would promote the stories that the more serious, you know, people in the UFO community thought were too silly or were ridiculous. And in that early period, that included crashed flying saucer stories..." - 0:11:40)
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これは、彼がUFO世界の「フリンジ(周縁)」に住んでいたことを示しているが、フリンジはしばしば後に中心へと移行するという点をMcKee氏は指摘している。
モスマンと「シルバー・ブリッジ (The Silver Bridge)」:
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バーカーが調査に関わったもう一つの大きなケースは、ウェストバージニア州ポイントプレザント周辺で発生したモスマン現象(1966-1967年)である。
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ジョン・キール(John Keel)の有名な「モスマン・プロフェシー」に先立ち、バーカーは1970年に自身の本「The Silver Bridge」を出版した。
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この本は、モスマン現象とその周辺で起きた奇妙な出来事に関するバーカーの体験を、奇妙な夢のような散文といくつかの創作された物語、解釈困難な場面(リコーダーと呼ばれるキャラクターなど)で語っている。
- ("...told in this very strange dreamlike prose, and with several stories that he had invented, put in, and lots of weird, weird scenes..." - 0:14:50)
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リコーダーの章は、著者バーカー自身と、UFOの調査と執筆のあり方についてのコメントであり、彼がイベントを操作し、それに合わせて物語を創作していることを示唆している。
バーカーとキールの関係性:物語と操作:
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ジョン・キールは、バーカーが「シルバー・ブリッジ」にフィクションを含めたことを批判したが、McKee氏はキール自身も証人の名前を変えたり、目撃情報の数を誇張したりするなど、同様の物語操作を行っていたと指摘している。
- ("John Keel really criticized him for in later years, saying, like, why did you put fiction in this book?... Whereas for Barker, it was a story that needed to be, that needed to give an audience something. And he is going to do what he needs to manipulate that. The trick, though, there is that John Keel does the same thing." - 0:15:22)
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バーカーはキールとは異なり、「シルバー・ブリッジ」で自身の操作を「カーテンを引き戻して」見せた点が重要である。
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バーカーとキールは、モスマン現象の調査中に互いに「いたずら」を仕掛け合っていた。キールが仕掛けた偽のメン・イン・ブラックのメモを、バーカーは自身のジンで「脅迫されている証拠」として発表した。
- ("So, they were staying in the same hotel and John Keel made a fake note from the men in black... Barker instead publishes this in his zine as signs that he is being threatened." - 0:17:27)
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バーカーの「いたずら」の動機は、それを暴露することではなく、継続的な謎を提供することであり、読者がそれと相互作用し、発展させ続けることを可能にすることだった。
- ("he's doing it because he wants to give a narrative and an ongoing mystery that the audience, you know, all the world of ufologists can continue to interact with and build on." - 0:19:58)
メン・イン・ブラック (MIB) の起源とバーカーの役割:
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MIBの概念には、ケネス・アーノルドの初期の目撃談に関連する「カミング・オブ・ザ・ソーサーズ」に掲載された前身のような物語(暗いスーツの男たち)がある。
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しかし、今日のMIBの文化的現象の「創始者」はグレイ・バーカーであるとMcKee氏は述べている。
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1953年、アルバート・K・ベンダー(Albert K. Bender)が「暗いスーツの3人の男たち」に訪問され、UFO調査をやめるよう脅迫されたと主張したことが、バーカーの最初の本「They Knew Too Much About Flying Saucers」(1956年)の基盤となった。
- ("about a month after Barker launched the Saucerion... Albert K. Bender... said that he had been visited by three men in dark suits who knew things about what he knew about flying saucers." - 0:24:38)
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バーカーはこの本でベンダーの物語や他の関連する出来事をまとめ、これを「ハッシュアップ・ケース(hush-up cases)」と呼んだ。
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「メン・イン・ブラック」という用語自体は、後にジョン・キールによって考案されたが、キールがこの用語を最初に使用した記事は、バーカーが語っていた物語の多くを再利用していた。
- ("It's not until a few years later that the term Men in Black really comes into use. And it's actually John Keel that really coins that term. But what Keel is doing... is really kind of rehashing a lot of the stories that Barker had been telling." - 0:26:11)
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MIBの物語は時間とともに「どんどん奇妙に」なり、政府のエージェントのようなものから、70年代には「フライングソーサーのパイロット」になり、90年代にはコメディ映画シリーズになった。
バーカーの出版倫理と改変:
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バーカーは、自身が出版した他の著者(例:ハワード・メンガーの「From Outer Space to You」)の原稿に、自身のスタイルで段落を挿入するなど改変を行っていたことが、彼のアーカイブに残された原稿との比較から明らかになっている。
- ("...there are full paragraphs that are inserted that are kind of seem to be in a different style. And sure enough, I'm 99% certain that Barker inserted those himself." - 0:29:45)
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興味深いことに、これらの挿入部分はUFOに関するものではなく、農場での生活の美しさに関する ものだったりした。これは、彼の文体における「詩的で牧歌的な側面」を示唆している。
スターリング・フレイス事件 (R.E. Straith Hoax):
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1957年後半、バーカーとジム・モズレー(Jim Mosley)は政府のレターヘッド(国務省)を入手し、いくつかの偽の手紙(合計7通)を作成した。
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そのうちの1通は、著名なコンタクティであったジョージ・アダムスキーに宛てられ、国務省の文化交流委員会を名乗るR.E. Straithという人物からのものだった。手紙は、政府内に彼を支持する者がいるが公には言えない、調査を続けてほしい、という内容だった。
- ("And it is very carefully worded from a guy named R.E. Straith from the Cultural Exchange Committee, telling Professor Adamski... that they can't say anything publicly, but there are those in the government that support his work and want him to continue." - 0:32:27)
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アダムスキーはこの手紙を、彼の物語が真実であり政府が彼を支持している証拠として出版した。
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しかし、バーカーは国務省のレターヘッドを使用したことが犯罪になる可能性を懸念し、非常に神経質になった。("So Barker got very, very nervous about what was going to happen." - 0:33:58)彼は手紙を書いたタイプライターを破壊したという伝説もあるが、これはおそらく神話である。
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FBIによる調査はなかったよ うだが、国務省による内部調査はあった可能性がある。
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この事件はしばらくUFO界で話題になったが、やがて忘れられた。しかし9年後、バーカー自身がアダムスキーの追悼出版物で「R.E. Straithの奇妙なケース」と題したエッセイを掲載し、謎を再燃させた。今度は「誰が私を嵌めようとしたのか」という新しい謎として提示した。
- ("But now in this telling, the story is not who is R.E. Straith and is he real... But now the mystery is who was trying to frame me." - 0:35:54)
時代背景とパラノイア:
- バーカーの活動は、冷戦や核の脅威など、アメリカが偏執病(パラノイア)に覆われていた時代に行われていた。 UFO分野における反政府的な偏執病の源流は、政府が秘密を隠していると主張したドナルド・キーホー(Donald Kehoe)に遡ることができる。
- しかしバーカーの場合、3人の男が誰であるかについて安定した理論を提示せず、それを可能な限り神秘的にすることで「陰謀論であるが、陰謀者がいない」という形にしている。これはむしろ「宇宙的ホラー」の感覚であり、読者に「良い恐怖」を与えることを目的としていた。
- ("for Barker, what's interesting is that he never presents anything like a stable theory about who the three men are... And so in a way, it's like a conspiracy theory without conspirators... that it's more of a sense of like cosmic horror..." - 0:38:01)
文学的手法と「目撃体験」:
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McKee氏は、バーカーがUFOやモンスターの目撃談を描写する際に二人称のナレーション("you")を使用していることに言及している。これは、読書という行為を目撃の行為に変えようとする試みである。
- ("he uses second-person narration when he's describing UFO sightings and monster sightings. He's trying to make, you know, the act of reading into an act of witnessing." - 0:38:46)
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彼は読者に、その場にいるような体験を提供しようとしたが、自身の筆を通じてその体験を少し操作し、読者が「心の目で」見ているものを誘導しようとした。
セクシュアリティとフリンジへの関心:
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バーカーはゲイであり、1950年代のウェストバージニアの小さな町では容易なことではなかった。
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UFO分野での彼の関心は、彼が「文化的アウトサイダー」であると感じていたことと関連があるかもしれない。
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ドキュメンタリー「Shades of Gray」で提示された説(デービッド・フーチェン)では、「小さな町では一つのことについてしか変人になれない。危険な同性愛者として知られるよりも、UFOの男として知られる方が良い」というものがある。
- ("in a small town, you can only be eccentric for one thing, and that it's better to be known as the flying saucer guy than the dangerous homosexual." - 0:41:30)
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バーカーは、全国初のゲイ権利定期刊行物「One Magazine」(1956年創刊)の非常に初期の購読者であり、ストーンウォール以前のゲイ解放運動の一部だった。
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彼は「クラックポット(変人、狂信者)」と呼ばれる人々に強い関心を持ち、彼らの手紙を保存し、時には出版を検討した。
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彼は「アウトサイダーや変人たちが自分自身である権利を擁護する」ことに興味を持っており、McKee氏はこれが彼のセクシュアリティと関連していると考えている。
- ("And so I think he really had an interest in kind of defending the rights of outsiders and eccentrics to be themselves. And I think his sexuality plays a role in that that attitude." - 0:44:00)
物語の重要性:
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バーカーにとって、物語が真実か虚偽かは重要ではなかった。彼にとって重要なのは「ストーリーが現実である」ということだった。
- ("The story is what's real. And what's real is, you know, what happens when I tell you a story and give you an experience." - 0:48:37)
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彼はストーリーテリングのプロセスは真実に対して中立であるというアプローチを取っていた。
McKee氏の驚き: ウィルヘルム・ライヒ:
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McKee氏が研究で最も驚いたことの一つは、心理学者ウィルヘルム・ライヒ(Wilhelm Reich)の存在だった。
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ライヒはUFOに強い関心を持ち、彼の娘エーヴァ・ライヒがバーカーに手紙を送り、「The Saucerian」を購読していたことが分かった。ライヒはオーゴン理論の研究で迫害され投獄され、獄中で死去した。
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エーヴァ・ライヒは、父がUFOへの信念のために迫害されたことをバーカーに電話で伝え助けを求めたが、バーカーはその時ライヒを知らず、その話を「クラックポット」からの電話として処理してしまった。
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バーカーが、自身のスピンオフしている物語(UFOに関心を持つ人々が沈黙させられる)の最も明白なケースの一つに、当時は気づいていなかったことがMcKee氏にとって非常に驚きだった。
- ("And here's one undisputable case of that happening. And he didn't take the bait... But even more surprising that Barker didn't do something with this story at the time." - 0:52:13)