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Eben Alexander(脳外科医): 脳死状態で意識活動があった。現実より遥かにリアルな体験だった (差替)

· 35 min read

前置き

ExoAcademian(Darren) と Nathan のふたりが対談動画の中に、 Eben Alexander の(講演?)での発言が再生されている。

Eben Alexander の臨死体験については

で取り上げた。

履歴

(2024-10-01) 書式変換 (FC2Blog → markdown)。文字起こし+和訳 の差し替え。

(2022-08-05) 作成。Eben Alexander(脳外科医): 脳死状態で意識活動があった。現実より遥かにリアルな体験だった

FasterWhisper AI(large-v2 model) + DeepL(2024-07 model)

▼展開

臨死体験であれ、体外離脱体験であれ、非人間的知性との接触であれ、UFO目撃体験であれ、ミッシング・タイムであれ、呼び方は何でもいい。人々は、ラッシュアワーで混雑しているI-5を突然車で走っていて、頭上にUFOを見ることができた人が何人かいたが、他の人たちは気づかなかったと話す。 (0:55:02)

だからまた、他の人たちが誰なのかということだけでなく、それが起こることを許している現実の本質とは何なのかという疑問が生じる。私たちは時々、彼らは私たち個人の意識に投影しているだけだ、などと言うかもしれないが、それはまた現実そのものの性質についていくつかの仮定をすることになる。物理主義的なモデルを仮定して、つまり、彼らは基本的に情報やイメージを誰かの頭蓋骨の灰白質に照射しているだけなのだ、と言うのだ。 (0:55:27)

しかし繰り返すが、本当に起こっているのはそういうことではないと思う。意識は、物理的な性質やエネルギーや物質や何やらに先立って存在している。それは物理的な自然やエネルギー、物質などに先立って存在しているということだ。 (0:55:40)


そしてジャック・リレーの有名な言葉がある。「UFO現象が教えてくれるのは、時空を本当に理解していないということだ。UFO現象が教えてくれるのは、私たちが時空を本当に理解していないということだ。アインシュタインが言ったように、空間と時間は私たちが考えるための方法であって、現実の本質そのものではないのだ。 (0:56:06)

量子実験でも同じことが言える。原因と結果を逆に実行しても、同じように機能するようだ。だから私たちは直線的な時間の経験を持っているが、それは実際に起こっていることではないようだ。リモート・ビューイングやさまざまな超能力現象について考えると、時間や空間は関係ないように思える。量子もつれについて考えるとき、時間も空間も関係ないように思える。 (0:56:27)

物理学者がこの現象を理解するのに苦労している理由の一つは、物理主義的なモデルからこの現象を理解しようとしているからだ。それはうまくいかない。でもそうだね、それがこの研究から生まれた最も魅力的な点だと思う。興味深い点はたくさんあるけれど、存在の性質や、そうでない場合よりも肯定的である可能性が高いという事実だ。 (0:56:51)

しかし、私にとって本当に際立っているのは、エイリアン・インテリジェンスであろうと、臨死体験であろうと、何であろうと、この種の遭遇のほとんどすべてが、時間と空間が歪んでいるように見えるということだ。ここでもクロスオーバーがある。 (0:57:18)

これらのデータは魅力的だ。そして、私が言ったように、私にとって本当に際立っているのは、もしあなたがこれらの接触様式の一つをオンラインにしたなら、他のものも同様にする可能性が高いということだ。それは本当に魅力的なことだ。さて、次のクリップでは臨死体験について見ていこう。 (0:57:40)

YouTubeで臨死体験を探せば、本当に興味深い体験談がたくさん見つかるだろう。これはYouTubeで再生回数が多かったものを選んだんだけど、本当に魅力的だった。まだ全部は聴けていないけど、もう一度聴いてみたい。 (0:57:57)

しかし、これは神経外科医のエベン・アレクサンダー博士によるものだ。素晴らしいリンクと小さなクリップだ。彼が臨死体験について少し話してくれるんだ。では聞いてみよう。 (0:58:22)

Eben Alexander の発言

なぜなら上空、ベルベットのような黒い空には、純粋なスピリチュアルな存在、金色の光の球体があり、隊列を組んで急降下したり渦を巻いたりしながら、きらめく金色の軌跡を残し、賛美歌、聖歌、賛歌を発し、津波のように力強く、波のように、クレッシェンドに次ぐクレッシェンド、クレッシェンドに次ぐクレッシェンド、最も美しい音楽の波が私の中を洗っていたからだ。そしてそれが、私がそう呼ぶようになったように、この入り口の谷で起こっている信じられないような喜びと歓喜に拍車をかけていた。 (0:58:50)

今理解すべき重要なことは、そのゲートウェイ谷はこの世よりもずっと現実的だったということだ。 (0:58:58)


これよりもずっとシャープで、鮮明で、リアルだ。それに比べると、これはとても夢のようだ。その超現実を理解しようとすることは、僕にとって長い間、深い深い謎だった。

▼展開

最後の小さなクリップが大好きだ。だから選んだんだ。でも、現実よりもリアルなんだ。これは臨死体験だ。この紳士は脳に極度の細菌感染を起こした。脳にダメージを受け、昏睡状態だったと思う。 (0:59:32)

科学的見地から精神活動と呼べるような精神機能は全くなかった。 しかし彼は、私たちが目覚めている現実よりも鮮明でリアルな体験を報告している。彼は起きている現実を夢とさえ言っている。だから、もしあなた自身がそれを経験したことがなければ、それを理解するのは難しいだろう。でも、このことについては何度も話してきたよね。 (1:00:02)

私はNDEsを愛する。私はそれらがある方法を、そこに共有される経験知っている愛する。 そして私は彼らが現実のその根のレベルで実際に起こっているものがに非常に深遠な洞察力を提供することを考える。では、そのクリップを聴いてどう思った? そうだね、君がすでに指摘したように、彼が「現実よりもリアルに感じた」と言っているのが魅力的なんだ。そしてコントラストだ。私たちは、日々の目覚めの経験の多くを、コントラストによって定義しているんだ。 (1:00:39)

どうして暗いとわかるのか?明るい光を見たばかりだから、比較的に違うことがわかるんだ。彼が言っているのは、日常的な覚醒体験とは対極にあるものを初めて手に入れたということだ。そしてそれはとても確かで、リアルで、生き生きとしていて、それに比べると夢のように感じられる。 (1:01:01)

対照的なものがないから、私たちの多くはそれを理解するのが本当に難しい。そういえば、息子がまだ小さかった頃、ある時、私たちがまだ経験していない色がある可能性について話したことがあった。息子は、私たちが経験している色以外の色があるわけがないと言ったんだ。と言ったんだ。彼はまだ幼かったから、そんなことがあり得るのかどうか理解できなかったんだろうね。このことは、私たちがいかに自分の知覚を現実と同じだと思い込んでいるかを示しているよね?もうひとつ、アレクサンダーについて特に魅力的なのは、彼が脳外科医だということだ。彼は脳外科医で、本当に珍しい病気にかかって、深い昏睡状態に陥ったんだ。 (1:01:38)

そしてこの話の魅力的なところは、もし知らない人がいたらぜひ調べてみてほしいのだが、彼が臨死体験をしたということだけでなく、彼の脳への生理学的ダメージは、やはりこれまでの経緯からすると、回復できないほど深刻なものであったはずだということだ。回復したとしても、いわば植物人間だ。 彼らは基本的にすでに... そして彼には世界最高の脳外科医がいた。 (1:02:01)

彼の同僚たちがやってきて、僕たちも手伝わないといけないと言った。こんなところにまで。そして彼らは言った、うわー、これは良くなさそうだ。ここから正常な脳機能と、普通の人間のように機能する能力を持って戻ってくる人はいない。そして、彼らは彼の家族にその覚悟をさせた。 (1:02:15)


それでも彼が戻ってきたとき、彼は完全に回復した。それ自体が奇跡的なことなんだ。 どうしてそうなったのか?それは現実について何を意味するのか?突然何かが起こったとき、物理主義的なモデルにはどんな意味があるのだろう?ありえないことなんだ。 しかしそうだ、彼はこのことが起こったとき、非常に唯物論的、物理主義的、医学的な観点に立っていたと話している。 (1:02:44)

そして彼の世界観は、この経験のために吹き飛ばされ、再構築された。そして今、彼は生涯をかけてこのことについて語り続けている。それは魅力的で、現実について多くのことを教えてくれるだけでなく、人々の人生に意味と目的をもたらしてくれるからだ。レイと同じように、彼は今、自分自身を、覚醒している現実の中で人間として一時的なモダリティ体験をしているだけの、この永遠の存在だと考えているからだ。 (1:03:07)

でもそれだけじゃない。そう、まさに魅力的なケースであり、自由研究が発見したこととも非常によく合っている。僕は最近、これらの概念に関連したちょっとした思考実験をしてみたんだ。みんな映画館に行ったことがあるだろう。みんな映画館に行って、その体験に没頭したことがあるよね。 (1:03:31)

そして、もしその映画館にとてもとても長い時間いて、次から次へと映画が上映されたらどうなるだろう。それが私たちの知っている人生であり、やがて私たちは、その劇場にいる誰もが、特にその劇場の外での経験がなければ、理解し、理解するようになるだろう。スクリーンで起きていることはすべて、現実で起きていることなのだ。 (1:04:00)

▼文字起こし 原文 展開

And that's another key aspect of the data is that space-time distortion happens in all of these experiences, whether it's near-death experiences or out-of-body experiences or contact with non-human intelligence, UFO sightings, missing time, whatever you want to call it. People talk about suddenly driving down the I-5 in busy rush hour traffic, and a couple of people being able to see a UFO overhead and everybody else being oblivious. (0:55:02)

So again, it raises questions, not just about who these others are, but what is the nature of reality that it allows that to happen? We sometimes will say something like, well, they're just projecting into our individual consciousnesses, but that again makes some assumptions about the nature of reality itself. It assumes kind of a physicalist model and says, okay, so they're just basically beaming information or images into the gray matter of someone's skull. (0:55:27)

But again, I don't think that's what's really going on. I think something more fundamental is going on that involves consciousness, which is it exists prior to physical nature and energy and matter and whatnot. And I think that's pointing to that. (0:55:40)


And Jacques Relay famously said, the one thing the UFO phenomenon tells us is that we don't really understand space-time. He didn't say it stretches some of our assumptions. He says what's going on makes it clear that we don't know what we're talking about when we think about space-time, that we have a normal mode, or as Einstein said, space and time is the manner in which we think, not really what the nature of reality itself. (0:56:06)

So we have all this data pointing towards the same thing with quantum experiments. You can run cause and effect in reverse and it seems to work just as well. So we have this experience of linear time, but it doesn't seem to be really what's going on. When you think about remote viewing and different psi phenomena, time and space seem irrelevant. When you think about quantum entanglement, time and space seem irrelevant. (0:56:27)

And part of the reason why physicists have had such a hard time wrapping their heads around it is because they're trying to figure it out from a physicalist model, which I think is a dead-end road. It's just not going to work. But yeah, that's I think probably the most fascinating aspect to me that came out of this research, as much as there's many aspects that are interesting, the nature of the beings, the fact that it's more likely to be positive than not. (0:56:51)

But what really stands out to me is how almost all of these kinds of encounters, whether it's alien intelligence, whether it's a near-death experience, whatever, it's that time and space seem to be distorted, not just distorted, but you experience this almost in an altered state of consciousness or an alternate realm, almost like a lucid dream or a psychedelic experience. Again, there's crossover there as well. (0:57:18)

So these are fascinating bits of the data. And like I say, what really stands out to me is that if you've had one of these contact modalities come online for you, you're much more likely to have others as well, which is just truly fascinating. Without a doubt. Well, that takes us to our next clip here, which we're going to look at near-death experience. (0:57:40)

So if you go onto YouTube and look for near-death experiences, you're going to find a ton of really interesting accounts. This is just one that I chose that had a lot of views on YouTube, and I found it really fascinating. I haven't actually had the chance to listen to the whole thing, but I want to go back and listen to it. (0:57:57)

But this comes from Dr. Eben Alexander, who is a neurosurgeon. Yeah, so it's a great link and a little clip here. So he's going to tell us a little bit about, I kind of put it midstream, a little bit about his near-death experience, and as you said earlier, sort of what it might speak to at a more fundamental level. So let's take a listen. (0:58:22)

Because up above, in the velvety black skies above, were pure spiritual beings, orbs of golden light, swooping and swirling in formation, leaving sparkling golden trails, emanating these hymns, chants, anthems, powerful like a tsunami, wave, crescendo after crescendo, after crescendo of the most beautiful music, waves washing through me. And that's what was fueling this incredible joy and mirth going on in this gateway valley, as I came to call it. (0:58:50)

Now the important thing to understand is that that gateway valley was much more real than this world. (0:58:58)


Far sharper, crisper, and more real than this. This is very dreamlike by comparison. That was a deep, deep mystery to me for a long time, trying to understand that ultra-reality. All right, so I love that little clip at the end there. That's why I kind of chose it. But more real than real. Here's a near-death experience. This gentleman had suffered an extreme sort of bacterial infection in his brain. Damage to his brain, I think, was in a coma. (0:59:32)

He had no sort of mental function that we would call mental activity from a scientific perspective. Yet he's reporting an experience that is more vivid, more real than our waking reality. He even refers to our waking reality as the dream. So it's hard to kind of wrap your mind around that if you yourself haven't experienced it. But I know we've talked about this quite a bit. (1:00:02)

I love NDEs. I love the way that they are, you know, the experience that is shared there. And I think they provide a very profound insight into what's really happening at that root level of reality. So what's your thought when listening to that clip? Yeah, like you already pointed out, one thing that's fascinating is how he says it felt more real than real, which just, again, tells you that what we maybe lack here is just context, right? And contrast. And we define so much of our daily waking experience by contrast, you know? (1:00:39)

How do we know it's dark? Because we've just seen a bright light and we know that comparatively, you know, it's different. What he's saying is that for the first time, you have something counter to the daily waking experience. And it's so solid and real and vibrant that it makes this feel dream-like in comparison. (1:01:01)

And many of us have a really hard time wrapping our heads around that because we have no contrast. I remember, you know, when my son was younger, one time I mentioned the possibility of there being colors that we haven't experienced yet. And he said, well, how can there be colors other than what we experience? So he couldn't wrap his head around when he was a younger kid around how that could even be, right? Which just shows you how much we're wedded to our perception being akin to reality, right? Another thing that's fascinating about even Alexander specifically is he's a brain surgeon, right? So he's a brain surgeon who had this really rare condition that put him to this deep coma. (1:01:38)

And what's fascinating about the story, and I really encourage people to look into it if they don't know about it, it's not just that he had this near-death experience, but that the physiological damage to his brain should have been, again, based on history, so severe that he just shouldn't have recovered. Or if he did, he'd be basically a vegetable, so to speak. They had basically already told... And he had the best brain surgeons in the world. (1:02:01)

His colleagues came in and said, we got to help out. This is even here. And they just said, wow, this does not look good. No one comes back from this with normal brain function and any kind of capacity to function like a normal human being. And they kind of prepared his family for that. (1:02:15)


And yet when he came back, he made a complete recovery. And so that in itself is miraculous. How did that happen? What does that mean about reality? What does that mean about the physicalist model when suddenly something happens? It's an outlier that's just not supposed to be possible. But yeah, he talks about being very much in a materialist, physicalist, medical perspective when this happened to him. (1:02:44)

And then his worldview was blown apart and reassembled because of this experience. And now he spends his life going around talking about this. Because not only is it fascinating, it tells us so much about reality, but it brings meaning and purpose to people's lives. Because just like Ray, he now sees himself as this eternal being who's just having a temporary modality experience here as a human being in a waking reality. (1:03:07)

But there's so much more to it than that. So yeah, just a fascinating case and fits very much with what the free research found as well. Yeah, I kind of went through like a little thought experiment of my own recently related to some of these concepts. And it's, you know, we've all been to the movie theater. We've all been to a movie where we've, you know, been really immersed in that experience. (1:03:31)

And, you know, what would happen if we were in that theater for a very, very long time, and it was just, you know, movie after movie after movie after movie. And that was the life that we knew, you know, we would eventually, everyone in that theater, we would understand and come to understand if we particularly had no prior experience of that, you know, no prior experience of anything outside of the theater, you know, we would come to understand that, that constitutes our reality. Everything that's happening on that screen is what's happening in reality. (1:04:00)

音声(1:30:59)

011 - Modes of Extraordinary Contact

www.youtube.com/watch?v=LajlzWvWuBs

動画概要欄

1,500 views May 29, 2022 Liminal Phrames

In this episode Exo and Nathan discuss a range of interrelated matters, including the FREE Experiencer Research Study, military encounters with UFOs, near death experiences, and Terrence McKenna's claims about the alien architecture behind certain psychedelic experiences. How are these various modes of extraordinary contact connected? And what does that connection say about the underlying fabric of reality?

コメント

ExoAcademian(Darren King) も Nathan も Eben Alexander の主張、

  • (a) 脳死状態で意識活動があった。
  • (b) OBE 中の経験はこの現実より遥かにリアルなものだった。それに比べるとこの日常生活の経験など夢のようなものだ。

を完全に受け入れ、その上で「意識は non-local なので時空間の制約を受けない」といった類のヨタ話に花を咲かせている。

Eben Alexander の主張のうち、a については

  • 彼の臨死体験は大脳機能が停止中のものではなく、その後に脳機能が回復途上にあった時期のものだ

として、以下のように反論した。

Eben Alexander(脳外科医)の主張:大脳機能が完全停止中の臨死体験だ → たぶん間違い (途中1) (2021-08-22)

今回、残された b についても以下で反論しておく。

OBE 中の体験が現実より遥かにリアルだったと感じる理由

変性意識状態もそうだが、特殊な意識状態(臨死体験や OBE も含まれる)では「暴走した空っぽの明証性や真理性」が頻繁に伴う。その具体例を過去記事(*1)で取り上げた。

それらの明証性や真理性には、裏付けとなる具体的な根拠が「最初から」存在しない。喩えると、特殊な意識状態では「これこそが絶対の真理、明白な真理だ」と大書きされた有り難い 本尊/御札 が出現する。そしてその 本尊/御札 に対面したことで「絶対の真理、明白な真理」を納得し尽くしたと思い込む。

何のことはない、「これこそが絶対の真理、明白な真理だ」というラベルを真に受けただけだが、特殊な意識状態では被催眠性が極度に高まっているためにはそれを 100% そのまま真に受ける。そのラベルを見ただけで絶対的に自明な真理を得たと確信してしまう。それゆえに日常意識に戻ったら、本人も根拠を全く説明できない。

OBE 中の体験が現実より遥かにリアルだったと感じる理由も同様の機序に基づいている筈。つまり「これこそが本当の世界だ。それゆえに最高にリアルな体験なのだ」という観念が先行し、後付けで鮮やかな色彩がどうの、妙なる音楽がどうの、天国のような景色がどうのとあれこれと味付けをしているが、「なぜ最高にリアルだったのか?」の答えは最初からない。

つまり、その「体験が」最高にリアルだったのではない。特殊な意識状態だったゆえに「本当の世界」を体験したと確信しただけ。本当の世界の体験だから、この日常世界よりリアルなのは当然。で、その確信に基づいて後付けで最高にリアルだったことになってしまう。

このような不可解なことが、被催眠性が極度に高まっている意識状態では簡単に引き起こされる。これを巧みに利用したのが宗教やカルトによる洗脳。傍から見ているとなぜそんな馬鹿げた教義を信じ込めるのか理解しがたいが、いざその巧みな洗脳を何度か浴びれば洗脳されない方が少数派となる。それほど人間の意識は脆く危ういもの。

精神世界ファンに限らず、誰もが「意識はドエライもの、凄いもの、至高のものだ」と思いこんでいるがそれは錯覚でしかない。意識には本来、かろうじて日常生活を過せる程度の機能(=食う、寝る、繁殖する)しか与えられていない。だから意識が日常生活から乖離した抽象概念を操ると大概、ひどいヘマをやらかす。それが 精神世界/宗教/哲学 にヨタ話が蔓延している理由。

(*1)

23:07 臨死体験で、出現した幾何学図形(geometric designs)に次のような質問をした。

  • 人生の意味は何か?
  • 人生に目的はあるのか?
  • 人生の計画や辿るべき道はあるのか?

その全ての幾何学図形が動き、形を変えた(shift and shape)。「かれら」は私にどうやってかは不明だがその答えを告げてくれた。このときは理解できたが、今言葉に言い表すことは無理だ。

...

Brad Steiger の臨死体験では、よく報告されるようなトンネルや光が出現するかわに幾何学図形が出現したという。

DMT や LSD などの幻覚剤でも様々な幾何学図形が色鮮やかに登場するので、Brad Steiger の臨死体験では脳内の自然産出分の DMT 分泌濃度が急上昇していたのだろう。

幾何学図形から教えられた情報は深層意識(に(追記:2020-01-09))染み込んだが、日常意識ではアクセスも表現もできない…そう Brad Steiger は信じているようだ。abduction 体験を肯定的にとらえる大勢の abductee も似たようなことを信じている。曰く、体験中には宇宙の全ての真理をありありと洞察したが、なぜか地上の日常世界に戻ったときにはその洞察を思い出せない…と。

こういった神秘的な洞察体験は、たぶん中身が無内容の、つまり空っぽの洞察だ…そう私は見ている。中身が空っぽなのに、真理性や明証性だけは最強度に感じるという点が特徴。一種の洗脳でしかないのだが、あまりにその洗脳パワーが強烈なので、一切の疑念が消し飛ぶ。実際のところは体よく騙されているだけなのだが、宇宙の全ての真理を悟っただの、洞察を得ただのと確信してしまう。

彼らはその洞察の片鱗とやらを口にする。それが「全ては一つ」だの「全ては意識」、「愛が全て」、「生まれる前に人生を選択している」、「悪は存在しない。悪の役を演じているだけだ」といった精神世界の戯言の類。

いうまでもないが 色即是空、梵我一如 の類も同じ手口の戯言。

ref: Brad Steiger : 臨死体験中に幾何学図形から人生の意味や目的を教えられた。 (2020-01-07)

(2022-08-05)
(2024-10-01)