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Jeffrey Kripal の仮説:幼児期の虐待やトラウマ → 脳のフィルター機能を一部解除 → 日常世界を超えたリアルな世界の扉が開く → 超常体験/超常現象

前置き

Jeffrey Mishlove が Jeffrey Kripal に遠隔インタビューした動画(2028-12-21)から、タイトルの件に絞る。

Jeffrey Kripal の仮説の前提

強引にタイトルに詰め込んだので、彼の仮説はタイトルで説明は尽きているが、重要な点は Jeffrey Kripal の仮説は以下の前提の上に構築されているということ。

  1. 意識は脳が生成したものではない
  2. 意識は脳とは独立に実在している(だから輪廻も臨死体験も幻想の類ではなく実在だ)
  3. 脳は「意識が本来もっている超越的な能力や機能」を排除するフィルターやリミッター(=制限装置)として機能している

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コメント 1

Jeffrey Kripal のこの仮説は過去記事でも取り上げたが、重要な仮説なので何度でも取り上げる価値がある。

とはいえ、私は Jeffrey Kripal のこの仮説には同意しないし、彼の仮説の前提である 1, 2, 3 は脳に関する膨大な医学的知見に反しているので否定するしかない。

それに替わって私は以下の仮説を提唱している。

  1. 幼児期の虐待やトラウマ、過酷かつ長期的な宗教的修行 → 脳の器質的損傷
  2. 脳の器質的損傷 → 意識障害 → (主観的な) 神秘体験/超常体験
  3. 脳の器質的損傷 → 脳のバグによる ESP 現象誘発 → (客観的な)超常現象

この内、2 は根拠となる科学的なデータが蓄積されているので、ごく常識的な内容の筈。1 の「幼児期の虐待やトラウマ」(*1) による脳の器質的損傷は近年(2000年前後)に徐々に明らかになってきた(*2)。

問題は 3 の客観的な超常現象だが、現代の科学「モデル」の枠外の現象が起きているように見える。枠外だけあって解決の緒すらつかめない。そこでかなり強引だが暫定的に 3 を想定した。

(*1)

❏ "UFO abductee" と 臨死体験者の共通点:子供時代に虐待などのトラウマを体験 (2024-03-04)

(*2)

コメント 2

話は完全に逸れるが、Jeffrey Kripal の背後の本棚の上の場違いな小物、

20240504_jk.jpg 20240705_jk_fig.jpg

が目に入った。Google image search にかけたところ下の Dark Phoenix という樹脂模型だと判明した。

20240705_fig.jpg

AI によれば、Dark Phoenix はアメリカン・コミックの登場人物で、

Dark Phoenix(ダーク・フェニックス)は、アメリカン・コミックスのX-Menシリーズに登場するキャラクターです。彼女はジャン・グレイ(Jean Grey)というX-Menのメンバーが、フェニックスフォースという宇宙的な力を取り込んで変身し、その力の影響で変貌する姿を指します。

以下に、Dark Phoenixの概要を簡単にまとめます。

  • ジャン・グレイとフェニックスフォース: ジャン・グレイはX-Menの一員であり、彼女はテレパス能力を持つミュータントです。ある時、宇宙からフェニックスフォースと呼ばれる無限の力が彼女に宿ります。この力は宇宙を超えるエネルギーであり、ジャンはその力をコントロールすることができますが、やがてその力に影響を受けて「ダーク・フェニックス」として変貌します。

  • ダーク・フェニックスの力と影響: ダーク・フェニックスとなったジャン・グレイは、無限の力によって強大な能力を得ますが、同時にその力が彼女の精神に影響を及ぼし、暴走して破壊的な行動を引き起こすことがあります。彼女は通常のジャン・グレイとは異なる外見や行動を示し、時にはX-Menや他のヒーローたちと対立することもあります。

  • ストーリーと影響: Dark Phoenix Saga(ダーク・フェニックス・サーガ)というストーリーアークは、X-Menコミックスの中でも有名であり、ジャン・グレイがフェニックスフォースの影響を受けてどのように変貌し、その後の彼女とX-Menの運命が描かれます。このストーリーはキャラクターの成長や葛藤、愛と破壊のテーマを深く掘り下げたものとして知られています。

ダーク・フェニックスは、X-Menの中でも特に複雑で魅力的なキャラクターの一つであり、彼女の物語はコミックスや映画で幅広く扱われています。

だとある。推測だが、

Jeff Kripal : Whitley Strieber の体験の本質はヒンズー教タントラ(密教)における女神だ (2022-07-04)

からして、Jeff Kripal は以下のような共通点を見出して飾ってるのではないか。

「Dark Phoenix」というキャラクターは、アメリカン・コミックスのX-Menシリーズに登場するキャラクターであり、ジャン・グレイ(Jean Grey)がフェニックスフォースの影響を受けて変貌する姿を指します。これはインドの女神たちとの類似性が見られる点があります。

  • 変身と破壊: Dark Phoenixは、ジャン・グレイがフェニックスフォースの力で変身する姿であり、その力は非常に強力で破壊的です。この点で、カーリーのように破壊的な側面を持つという共通点が見られます。

  • 無限の力と愛: Dark Phoenixの物語においても、彼女の内に宿るフェニックスフォースは無限の力を象徴し、同時にその力がコントロールを失った場合には破壊をもたらす可能性があります。これは、シャクティの無限のエネルギーというコンセプトにも通じる側面です。

  • 戦いと正義: Dark Phoenixは時にはジャン・グレイの意志とは別に行動し、戦いを通じて自身の正義を守る姿勢を見せます。これは、ドゥルガーが戦いと正義の象徴とされる点と類似しています。

ただし、重要な違いとして、Dark Phoenixはフィクションのキャラクターであり、ヒンズー教の女神とは異なる文脈や背景で描かれています。そのため、単純な類似性以上の関連性を見出すのは難しいかもしれませんが、キャラクター設定の中で受け継がれているテーマや象徴的な要素には類似点が見られます。

Whisper AI(large-v2 model) + DeepL

すると彼は、いや、彼女には僕の声は聞こえないだろうと言った。 君はもう僕のいる場所に行ったことがあるから、僕の声が聞こえるはずだ。 そうだね。あなたは雷に打たれたことがある。 そうだね。君は本質的に吹っ飛ばされたから、他の人たちには僕の声は聞こえないんだ。 私にとっては、このことも重要なことなんだ。フィルター論と呼ばれる考え方、つまり身体や脳が実際には意識を生み出していないということを、私にとっては確認することになるからね。 (00:42:13)

実際に意識を遠ざけているんだ。 そうだ。いや、私たちは生産者であるというよりも、フィルターなんだ。 言い方を変えると、私たちはコンピューターというよりアンテナのようなものなんだ。 私たちはこれを生成しているのではない。 私たちはそれを受け取り、縮小し、私たちが出演する3D映画のようなものに変換している。 でも実際は、すべてがこの内部から来るわけではないんだ。 (00:42:40)

それがこの死者からの電話で起きていることだと思う。 率直に言って、臨死体験でも同じことが起きている。 だからトラウマは臨死体験によくあることなんだ。 他のものが入ってくるためには、そのフィルターを吹き飛ばしたり、壊したりしなければならない。 だからエリザベスは落雷の後、超常的な才能を発揮したんだと思う。 (00:43:09)

彼女は子供の頃、性的虐待を受けていたが。 (00:43:12)


自然発生的な心霊体験を報告する人は、幼少期のトラウマや性的虐待を報告する傾向があることを示す文献がたくさんあるんだ。 そうなんだ。僕は、初日からそのことが関係していると思ったんだ。 つまり、ヒンズー教の聖者ラーマクリシュナに関する私の最初の著書は、彼の幼少期の性的トラウマと、その後の神秘的なエクスタシーやビジョンとの関係を扱っている。 そして私はそこで、この本でエリザベスと論じたように、この2つのことは無関係ではないと主張した。 (00:43:47)

トラウマが幻視や臨死体験を生み出すという意味ではない。 トラウマがその人を打ち砕き、その人は元通りになるが、その後の人生で、その打ち砕かれたトラウマに依存した、ある種のスピリチュアルな体験をするということなのだ。 彼らは基本的に、人生の初期に経験した恐ろしいトラウマから生き延びるためのスキルを学ぶのだ。 そして、その同じスキルが、後の経験をし、生き延びる能力にとって極めて重要になるのだ。 (00:44:23)


And he said, no, she wouldn't be able to hear me. You can hear me because you've already been where I am. Right. And you've been struck by lightning. Yeah. You know, you've essentially been blown open and the rest of them can't hear me. So to me, that's significant, too, you know, because it it confirms for me this notion of what we call the filter thesis, that the body and the brain are not actually producing consciousness. (00:42:13)

They're sort of actually keeping it out. Yeah. No, it's we're more of a filter than we are a producer. To put it differently, we're much more like an antenna than we are a computer. We are not generating this. We are receiving this and we're reducing it and we're translating it into a kind of 3D movie that we're we're starring in. But actually, it's it's not it's not all coming from inside here. (00:42:40)

And I think that's what's happening with this phone call from the dead. And frankly, what's also happening with the near death experience. And that's why trauma is so common in these experiences. You have to have to blow open or break open that filter for this other stuff to get in. And I think that's why Elizabeth was so paranormally gifted after the lightning strike, but not before it. (00:43:09)

Although she had been sexually abused as a child. (00:43:12)


And there's a lot of literature now showing that people who report spontaneous psychic experiences also tend to report childhood trauma and sexual abuse. Right. And I I've thought that was related from day one. I mean, my first my first book on this Hindu Saint Ramakrishna deals with sexual trauma in his early life and its relationship to his later mystical ecstasies and visions. And I argued there, as I argued in this book with Elizabeth, that those two things are not unrelated. (00:43:47)

It doesn't mean that the trauma produces the vision or the near death experience. It means the trauma breaks open the person who then comes back together, but later in life has some kind of spiritual experience which relies on that earlier breaking open. They essentially learn a skill to survive the horrible trauma they experienced early in life. And that same skill then becomes crucial to their ability to have and survive the later experience. (00:44:23)

動画(54:46)

The Power of the Near-Death Experience, Part 2 with Jeffrey Kripal

www.youtube.com/watch?v=qsLltCUetc

動画概要欄

31,700 views Jan 21, 2019

ジェフリー・J・クリパルはテキサス州ヒューストンにあるライス大学のJ・ニュートン・レイザー教授(哲学・宗教思想)で、宗教学の前学科長である。著書に『Kali's Child』、『Esalen』、『Authors of the Impossible』、『The Serpent's Gift』、『Mutants and Mystics』、『The Super Natural』(ウィットリー・ストリーバーとの共著)、『Secret Body』などがある。エリザベス・クローンとの共著に『Changed in a Flash: One Woman's Near-Death Experience and Why a Scholar Thinks It Empowers Us All』がある。

ここでは、エリザベス・クローンの臨死体験の意義について説明している。彼は、このような事柄について読んだり話したりするだけで、同じような体験をしているかもしれない人たちのために「安全な空間」を作ることができると指摘する。彼は彼女の経験が、ほとんどのNDEsのように、彼女の家族および宗教背景によって着色されたことに注意する。彼はまた "時間のループ "のEric Wargoの概念を記述し、このモデルがさもなければ "超常現象 "であると考えられたいろいろ現象を可能にすることを提案する。

New Thinking Allowedのホストであるジェフリー・ミッシュラブ博士は、『The Roots of Consciousness』、『Psi Development Systems』、『The PK Man』の著者である。1986年から2002年にかけて、公共テレビ番組『Thinking Allowed』シリーズの司会と共同制作を務めた。カリフォルニア大学バークレー校(1980年)において、公認大学から授与された唯一の「超心理学」博士号取得者である。人間性心理学協会の元副会長であり、意識研究への貢献に対して同協会からパスファインダー賞を授与されている。

(2018年12月21日収録)


Jeffrey J. Kripal is the J. Newton Rayzor Professor of Philosophy and Religious Thought and former chair of the Department of Religious Studies at Rice University in Houston, Texas. His books include Kali's Child, Esalen, Authors of the Impossible, The Serpent's Gift, Mutants and Mystics, The Super Natural (with Whitley Strieber), and Secret Body. He is coauthor, with Elizabeth Krohn, of Changed in a Flash: One Woman's Near-Death Experience and Why a Scholar Thinks It Empowers Us All.

Here he explains the significance of Elizabeth Krohn's near-death experience. He points out that simply reading or talking about such matters helps to create a "safe space" for others who may be having similar experiences. He notes that her experience, like most NDEs, was colored by her family and religious background. He also describes Eric Wargo's concept of "time loops", and suggests that this model allows for a wide variety of phenomena otherwise thought to be "paranormal".

New Thinking Allowed host, Jeffrey Mishlove, PhD, is author of The Roots of Consciousness, Psi Development Systems, and The PK Man. Between 1986 and 2002 he hosted and co-produced the original Thinking Allowed public television series. He is the recipient of the only doctoral diploma in "parapsychology" ever awarded by an accredited university (University of California, Berkeley, 1980). He is past-vice-president of the Association for Humanistic Psychology, and is the recipient of the Pathfinder Award from that association for his contributions to the study of consciousness.

(Recorded on December 21, 2018)

(2024-07-05)