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凍らせた缶コーヒーは普通の缶コーヒーより遅く転がる。その直感的な解説

要旨

缶コーヒーを斜面に転がすと、凍らせた缶コーヒーは普通の缶コーヒーより遅く転がる。これは実験的な事実だが、直感に背くため大勢が間違える。

下の動画(日本語)では、その理由をエネルギー保存則(*1)で解説しているが、理科系の人間でないとそれ(エネルギー保存則)では納得できない筈。

そこで誰にでも直感的に理解できる具体例を思いついた。それを解説する。

(*1)

ChatGPT-4o に「エネルギー保存則」で解説せたのが下。なお、缶コーヒーだともう既に学習してしまっている可能性があるので缶ビールに置き換えた。

ChatGPT-4o

実験結果では確かに、液体缶ビールの方が早く転がります。この理由を先のような慣性モーメントで説明するのではなく、エネルギー保存則から説明してみて。


ChatGPT

エネルギー保存則の観点から説明すると、液体の缶ビールが凍った缶ビールより速く転がる理由は、エネルギーの分配の仕方に関係しています。

解説:

  • エネルギー保存則によれば、物体が坂道を転がる際、重力による位置エネルギーが運動エネルギーに変換されます。運動エネルギーには主に直進運動エネルギーと回転運動エネルギーが含まれます。

  • 凍った缶ビールでは、中身が固体であるため、全ての質量が回転運動にも参加します。したがって、位置エネルギーが「直進運動エネルギー」と「回転運動エネルギー」に分割されます。回転運動エネルギーにも一定の割合が使われるため、直進運動エネルギー(つまり、速さに対応するエネルギー)が少なくなります。

  • 一方、液体の缶ビールでは、缶が転がる際に中身の液体が缶の内部で自由に動くため、液体そのものは回転運動にほとんど寄与しません。その結果、回転運動エネルギーに割り当てられるエネルギーが少なくなり、より多くのエネルギーが「直進運動エネルギー」に使われます。

  • つまり、液体の缶ビールの方が、位置エネルギーが効率よく直進運動エネルギーに変換されるため、より速く坂を転がることになります。

このように、エネルギー保存則を用いると、液体の缶ビールがより速く転がる理由は、回転に使われるエネルギーが少なく、より多くのエネルギーが直進運動(速度)に変換されるからだと説明できます。

動画(9:30)

松田語録:缶コーヒーコロコロ〜缶コーヒーと凍らせていない缶コーヒーで速く転がるのはどっちか?

https://www.youtube.com/watch?v=1k_icJvpFgk

動画概要欄

900 views Aug 29, 2024

収録日:2024年8月22日 シンギュラリティサロン主宰の松田卓也神戸大学名誉教授の健康や学習に関連する日ごろのお考えを皆さんにお伝えします。今回は凍らせた缶コーヒーと凍らせていない缶コーヒーで速く転がるのはどっちかという問題について。

出演:松田卓也 シンギュラリティサロン主宰・神戸大学名誉教授    塚本昌彦 神戸大学教授    保田充彦 XOOMS代表 企画・運営:シンギュラリティサロン(https://singularity.jp/)

誰にでも直感的に理解できる具体例

20240831_can1.jpg

(ChatGPT-4o に作成させたイラスト。大袈裟に表現させた。)

ChatGPT-4o との対話

先の実験で、坂道と同じ効果をもたらすであろう実験を思いつきました。先の缶ビールを回転するロクロ台の中央に載せて回転させるのです。この場合、液体の缶ビールの方が早く回転すると直感的に理解できます。この等価実験だと直感に訴えるのではないでしょうか?


ChatGPT

それは非常に良いアイデアですね!確かに、その実験は直感的に理解しやすく、より多くの人に納得してもらえるかもしれません。 等価実験の説明:

ロクロ台の中央に凍った缶ビールと液体の缶ビールを置いて回転させると、液体の缶ビールの方がすぐに回転速度を上げるはずです。これは、液体が中で動き、缶の回転を助けるからです。凍った缶ビールは一体となって固まっているため、回転させるには全体が動く必要があり、そのためにより大きな力が必要です。

この実験を考えると、缶が坂を転がるときの状況とよく似ています。液体の缶ビールは、中の液体が自由に動くことで缶全体の動きを助けるため、より速く回転するし、坂でもより速く転がります。

このロクロの例えを使うと、液体の缶ビールが坂道でも速く転がる理由が直感的に理解しやすくなるでしょう。このアプローチは、物理に詳しくない人にも伝わりやすいですし、納得感が高まると思います。

(2024-08-31)