John Keel : 「世界」は人間が捉えているようなあり方をしていない。「人間自体」もそうだ (書式変換)
はじめに
数ある UFO 研究者の中で私が高く評価するのは Jacques Vallee, John Keel そして Karla Turner の三人1。その John Keel の深い洞察を伺わせる発言が下。
タイトルはヘボなデタラメ訳。なので下の短い原文を直接読むべき。
履歴
(2024-12-16) 書式変換
(2019-12-15) 追加。別の動画のシメの部分で、John Keel 自身がこのフレーズを語っているシーンを見かけた。なので追加しておく。 John Keel :「世界」は人間が捉えているようなあり方をしていない。「人間自体」もそうだ。(+追加) (2019-12-15)
(2019-12-13) 作成。 John Keel :「世界」は人間が捉えているようなあり方をしていない。「人間自体」もそうだ。 (2019-12-13)
抜粋
19:29
"The unknown is out there. The universe does not exist as we think it exists and we don't exist as we think we exist"
動画(19:44)
John Keel
https://www.youtube.com/watch?v=iY3frky-QKsおまけ
19:34
"Belief is the enemy"
コメント
上で、タイトルの件について「John Keel の深い洞察」と述べたが、私はタイトルの主張には本当のところでは同意しない。
「「世界」は人間が捉えているようなあり方をしていない。」という主張には
- (a) 「世界」の「真実のあり方」なるものが存在しているが、
- (b) それは人間には捉えられないものだ
という含意がある。この含意は、人間には捉えられない「真実のあり方」、つまり「人間の認識から隔絶し、自立・独立した「真実」がある」と いう誤った前提に立っている。
わかりやすい例で言えば…。「路上の石」は「人間の認識から隔絶し、自立・独立した実体」だが、「赤という色」は「人間の認識から隔絶し、自立・独立した実体」ではない。「真実」は石ではなく色の側に属する。つまり美や正義、善などと同類。
なので ざっくり言ってしまえば、「真実」は(いわゆる)真理ではない。つまり、日常的に人が抱いているような真理性のイメージを「真実」は本来は持ち得ない。
その意味で、いわば神と同じく「真実」も観念に過ぎず、存在しない。
だから、
- (a') 「世界」の「真実のあり方」といった御大層なものは最初から存在しない。
- (b') しいて言えば、人間が日常的に捉えているものこそがソレだ。
言い換えれば、この「世界」に裏や奥はない。見えているものが全て。真実、つまりプラトンの洞窟の比喩が示すようなイデア的観念は幻想。壁に映った影の反対側に実在や光が存在するのではない。影こそが実在。
よって、
- 別次元の存在がこの世界に侵入し顕現したのが ET/UFO, Bigfoot, 幽霊... (John Keel の立場)
なのではなく、
- ET/UFO, Bigfoot, 幽霊... に見えるものも、最初からこの世界の一部だ
というのが私の今の考え。
(2019-12-13 end)
(2019-12-15 begin)
はじめに
別の動画のシメの部分で、John Keel 自身がこのフレーズを語っているシーンを見かけた。なので追加しておく。
このフレーズは番組のシメを飾るにふさわしい…そう番組制作者も判断したようだ。
該当箇所
最後。John Keel 自身が発言。
動画(46:17)
Monsters and Mysteries in America | Season 3 Episode 10 | The John Keel Files
(2019-12-15 end)
(2024-12-16 begin)
AI (ChatGPT-4o)に先の引用文を訳させてみたが、「未知はそこにある。世界は人間の捉える通りには在らず、人間自身もまた然り」だった。表現が若干、ぎこちない。
だが、AI は引用文の意味は十分理解している。
ジョン・キールの言葉 "The unknown is out there. The universe does not exist as we think it exists and we don't exist as we think we exist" を解釈すると、彼が私たちの現実認識の限界や、人間が構築する現実の枠組みに対する疑問を投げかけていることがわかります。
キールの思想背景
ジョン・キールは UFO現象 や 超常現象 を探求する著名な作家であり、合理的な説明が不可能な現象を追い続けたことで知られています。彼は物理的な世界や、認識される現実が、私たちの思考や言語によって単純化されたものであり、その背後には人間の理解を超えた、より複雑で不可知な「未知」が存在していると考えました。
言葉の構造と意味
-
"The unknown is out there."(未知なるものはそこに存在する)
- 未知の領域や現象は、人間の目には捉えきれない形で存在していることを示唆しています。
- ここで言う「未知」とは、単に科学的に未解明なものだけでなく、現実そのものの背後にある隠された 真理とも解釈できます。
-
"The universe does not exist as we think it exists."(宇宙は私たちが考えるようには存在しない)
- 人間は宇宙を五感や科学的枠組みで理解しようとしますが、それはあくまで「人間の認識に過ぎない」という意味です。
- 宇宙は、私たちが知覚し、理解している形とは異なる次元で存在しているかもしれないという暗示です。
-
"We don't exist as we think we exist."(私たちも、私たちが思うようには存在していない)
- 自分自身や人間の存在そのものも、固定的な「個」としての存在ではなく、認識や知覚によって形作られた虚構的な構造かもしれないと示唆しています。
- これは意識や存在の本質を疑う、哲学的かつ形而上的な問いです。
キールの「現実」に対する挑戦
この言葉は、科学的・物理的な解釈だけでは捉えきれない高次元の現実や、私たちが構築する「現実の虚構性」に対するキールの挑戦的な視点です。彼の考えは、物理学や認知科学が示す「観察者効果」や「現実の多重解釈」にも通じるものがあります。
キールは、人間が見たいものしか見ていない、もしくは脳が現実を一部しか再構築できないという前提に立ち、「見えているものの向こう側に何があるのか?」という問いを生涯追求しました。
この言葉は、現実の構造や私たち自身の存在に対して、固定観念を捨て、より広い視野で「未知」に向き合うよう促すメッセージと捉えられます。
(2024-12-16 end)
Footnotes
-
(2024-12-16 追記) 私はもう Jacques Vallee を評価してない。 ↩